「snehova hvezdicka」Kveta Pacovska
こちらは先日入荷しましたクヴィエタ・パツォウスカーの絵本「snehova hvezdicka」です。
パツォウスカーは1928年生まれのプラハ出身の絵本作家です。国際的な評価も高く「小さなノーベル賞」とも呼ばれている国際アンデルセン賞画家賞も1992年に受賞しています。
日本でも度々展覧会が開催されておりますので、好きな方も多いのではないでしょうか。
個人的にはクヴィエタ・パツォウスカーは、その絵の芸術的な側面が、現代の絵本作家の中でも最も評価され、受け入れられている作家のひとりだと思っております。
こちらの絵本は最初に出版されたのが1966年(当店在庫商品は1976年版)ですので、まだ彼女の初期の方の作品ですね。
所謂パツォウスカーの「絵」としてイメージする作風とは少し違っていて、よりシンプルな絵柄ですね。
ここから後期にかけて、パツォウスカーがそのイラストレーションに複雑さを加えて変化させて行くことを思うととても興味深く感じられます。
シンプルとは言っても、パツォウスカーのパツォウスカーらしさ、というものは既にはっきりと感じられます。
色彩と構成、ハッと目を引くあの赤色と直線と曲線の組み合わせ。今じっくり見返してみると、それはカジミール・マレーヴィチと似たものを感じさせます。
パツォウスカーの描く絵が芸術的に高く評価される理由のひとつはここにあるのではないでしょうか。
パツォウスカーはシュプレマティスム的な抽象化/純粋化された形態から、そこからもう一度/再び、それに肉付けをして自分のイラストレーションを生み出した様に感じられるのです。
そのように彼女の芸術の源のひとつにマレーヴィチがあるとして、そうして彼女の制作の仕方を、純粋な形態に解体したものからもう一度組み立てていく、というものとして捉えると、パツォウスカーが、今私達がよく知っている後期の作品への変遷が、より理解できる気がしますね。
今回は絵の話ばかりしてしまいました。
オンラインストアの方でも是非ご覧ください。
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