淡路国生み参拝(1)~沼島、上立神岩~
この拙ブログを書き始めまして、早、一年以上が経ちました。
そもそも、このブログを書き始めたきっかけというのは、日本の神話の見直しでした。
神話は、多くの国や地域で語り継がれる、独特の内容が特徴です。
しかし、筆者には長いこと、日本国の神話に関しては疑問を持っておりました。
あ、神話の内容に疑問があるのではなく、その伝え方、継承の仕方や位置付ということでしょうか?
もっと、簡単に申し上げれば、なぜ、日本では、歴史教育や幼少年教育の中に、神話、及び神話の読み聞かせというものがないのでしょうか?
あるいは「古事記」を課題図書の一冊にしないのでしょうか?
そんな中からたどりついたひとつの結論が、古事記をもっと身近なものに、さらに、親御さんが簡単に読み聞かせのできる「おはなし」、あるいは絵本の作成でした。
その下ごしらえのために、きちんと神話をまとめようと。
そして読み聞かせできる物語を作成しようと考えました。
その第一歩が、このブログを初めた動機であります。
そしてなんとも大事なものは、その話しの後ろにある背景や、その場所です。
古事記を読みだして、まず最初に行かなくてはいけないと思ったのが沼島(ぬしま)でした。
「国産み」、「神産み」の舞台と言われているのがこちら沼島です。
そして今回、1年がかりでその思いが通じてここに来られました。
沼島です。
沼島は、淡路島のもっとも南にある漁港、「土生(はぶ)港」から、「沼島汽船」に乗船して10分のところにあります。
神戸の垂水でレンタカーを借りて、ひたすら走りまくり1時間10分くらいで到着しました。
※そうそう、あらかじめお詫びをしておきますが、古事記に記されている「おのごろ島」が現在のこの沼島だという確証はもちろんありませんが、そうではないかと言われている候補のひとつであります。
10分はあっという間です。
この日、九州は大雨で、この辺りも当初は雨の予定でしたが朝方には晴れ間もあり、雨の心配はなさそうでしたが、なにせ、かなりの雨男です。バッグにはこっちに来てから買った折り畳み傘をしのばせつつ、いざ、沼島の第一歩を踏みしめました。
ですが...
沼島汽船には15人くらいの方が乗船されてましたが、みなさま仕事の方のようで、下船するとそれぞれの目的地へ。
観光(正式には参拝訪問)目的はわたくしたった一人のようで...
それでも、港を出ると、島の地図と、観光スポットへの道標があったので、とにかく「上立神石」を目指して。
「上立神石」は港とは島の反対側にありますが、徒歩で25分くらいとありましたので...
でも、殆どこんな道でした。
しかもずっと上りで、上った先に海が見えてきました。
もう、この時点ではやる気持ちを抑えられませんが...
ここからは急激に下り、というか、崖っぷちに道を作ったという感じです。
そしてついに...
まず、驚きで声が出ませんでした。
思っていたより、写真でみていたものよりも、
ずっとずっと大きく、迫力があったからです。
ただ、その場に佇んでしまいました。
静かな波のおと
優しい風の囁き
繰り返し、ただ繰り返し
波はたまに波動がかわります。
風もたまに方角がかわります・
ですが、
繰り返し、ただ、その繰り返し。
わたくしはいつしか、そこに座りこんでしまいました。
というか、そこに対峙するには、かなり力が必要だったようで、
そんなに気張らなくていいよと言われて気がして、
なので、座りこんだら、たしかにずっと楽になりました。
暫くして、今度は知らない間に涙でいっぱいになってました。
感極まったってしまったのか...
身体から力が抜けて、出るのは涙だけでした。
溢れ出て止まらない涙。
なぜなのでしょうか?
でも、ひとつ確信がありました。
それは、イザナキさまとイザナミさまは、間違いなく、この岩に立たれたのだと。
この岩はお二方がお立ちにハグをされている姿なんだと。
そしてすこし離れたこの岩
この岩は、お二方がお休みになられたのだと。
どのくらいの時間がたったのかはわかりませんが、
ようやく、涙がとまったと思ったら、
また、波の音、風の音が繰り返されてきました。
感動が感謝になりました。
その我に帰った時間が、11時11分でした。
ここに来られてよかった。
日本発祥の場所に来られてよかった。
ありがとうございました。