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おふくわけの横顔ーおふくわけ vol.2レポート(後編)

2017.07.01 13:16

こんばんは!おふくわけです!


いやー!ぼーっとしてたら、もう7月ですよ。2017年の半分が終わっちまいました。

(そして、vol.2のレポート後半を書き終える前にvol.3の日を迎えてしまいました。すみませんでした…。)


ちょっと懐かしい感じになってしまってますが、5月27日(土)に開催された、おふくわけvol.2「ものづくり、これからの売り方・伝え方」後半レポートいってみましょう!(汗)



後半は、おふくわけ恒例・参加者の方がゲストに直接質問できる「おふくわけカード」のお時間です!


今回は一体どんな質問が参加者から出たのでしょうか。振り返ってみましょう!




「理想のプロダクトとは?」


「作り手として何を作るのが理想か?生きるうえでどんな風に日常を捉えたら正解か?そんなことを考えながらものづくりをしています。だから、優等生ぶって答えると(笑)、材料がちゃんと回っていて、作る人にもちゃんとお金が回っていて、買った人もハッピーになれる、まさに『三方よし』。これがきっと理想なのだけど、それだけじゃ面白くない。あえてそこに横槍入れるのが自分のやりたいことであって、『え?そんな角度あったの?』『え?そんなことアリなの?』と、買う人に考えさせることが自分の役目だと考えています。」

「木地師はそもそも昔は職業じゃなかったんですよ。農家の方が農閑期に地元の人たちにお椀を作っていたのが始まりです。でも資本主義の社会になってしまった。お金至上主義になってしまった。今はそのうえでものづくりが成り立っている状態。お金の為にものを作らなくてはならない時代。自分としては非常に気持ちが悪いです。理想のプロダクトは、もしかしたら『作らないこと』かもしれませんね(笑)」



ここで、実際に農業をされている参加者の方からもコメントが。

「農業も面白くなくなった。時間に追われ、金に追われ、機械に追われている。本来百姓というのは、その時期に採れる季節のものを育てていた。でも今は従業員を雇って、大規模化を目指すばかり。効率とか追求するのではなく、自己満足を追い求めて食っていくのがいいと本当に思いますね。」




真面目な話が続きましたが、中にはこんな質問も。

自分の恋愛に悩む、恋多き女性からの質問でした(笑)


「奥さんとの馴れ初めは?」

「奥さんは地元(河和田)の人です。前職の時に、後輩が食事会をセッティングしてくれて、そこで出会いました。最初は真面目な人の印象でしたね。向こうは全然興味なかったそうなのですが(笑)、こっちからアプローチをして。すごく頭のいい人で喋るのが上手なんです。自分ができもしないくせに勝手に「できる!」と思ってた時期(笑)、本当にお世話になりました。今は喧嘩しつつも、いい関係ですね。」


そして、こんな質問までも。


「オリジナルフランスパン作りませんか?(パンに未練ないんか?)」」

「いいですね、ぜひ作りましょう!(笑)…と、簡単に言っちゃうのも、自分自身作るモノはなんでもいいんです。その作られている過程が調子良ければ。漆器業界はとにかく大変なんです。だからこそ、みんながちゃんと儲かってしかも作り手も作ってて気持ち良い、お互いにそう思えるのであれば、できるものはなんでもいいんです。だからパンでもいいんです。でもものづくりって大体しんどい。本当は何もしたくない、ゴロゴロしていたいんです(笑)でも足を踏み込んだ以上、みんなが気持ち良いのがいい。だから今頑張っています。」



「では酒井さんにとって“気持ち良いデザイン”とは?」

「例えば、お椀1個あたり300〜400円の利益が出るとする。つまり1日100個作らないと生計が成り立たない。では1個1000円だとどうか…。そんなことを考えながら、みんなが気持ち良い仕組みを考えるのが自分にとってデザインするということ。つまり、良いデザインは作り手のところからちゃんと積算する。これって実はみんなが結構できていないんです。昔はBtoBが主流であったけど、今はBtoCにシフトしてきています。だから分業制ができなくなってきている。一貫生産、つまりトータルで考えることによって、もっと上手くいく仕組みがあるのでは、と。あ、ちなみにこれについてはいっくらでも話せるんで(笑)また別の機会に…。」


・・・残念ながら時間が迫ってまいりました!というわけで最後の質問です。


「酒井さんが考える、次なるプロジェクト(orプロダクト)は?」

「未来どうしていきたいか。極論、さっきも言いましたけど、まあ働きたくないんすわ。(笑)でも、今よそ者としてこの河和田という地にいるわけですし、よそ者から見て、やっぱり皆が皆、ちょっとずつよくなってほしい。販路を作るとか、本当は誰かやってほしいけど、誰もやってくれないから自分がやっている。やるって言っちゃたし。よく考えたら本当はやらなきゃいけないことあるのに、皆、忘れてしまっている。そんなこと考えながら河和田の動きを変えていきたいと思っています。」

「木地師って本当に大変なんです。正直、全然儲かる気がしない。だから、すごいスピードで作り手が減っています。今はなんとなくものづくりブームですけど、それって本当に一瞬ですよね、きっと。そんなにメディアは取り上げて責任取れるのか?というレベルだと思っていますよ。その‘るつぼ’に河和田もあると感じています。」

「『丁寧なものづくり』と いって、生活工芸のブームがここ20〜30年続いてきました。その結果、それが当たり前になってコピーする人が出てきました。そして、それをマーケットで売りさばく人が出てきて、さらにそれをおかしな金額でやりとりしています。今後どうなるか、オリンピックもあるし、本当にものづくりの戦国時代が来ると思っています。その中で『そうきたかー!』と言わせる作品を作りたいですよね、やっぱり。だって、同じことはしたくないじゃないですか。」


働きたくない。ゴロゴロしていたい。でも自分がやるしかない。今の仕組みを変えていくしかない。だから今動いている。そうおっしゃっていたゲストの酒井さん。

『これって誰が?』『どういう思いで?』、『いくらかかって作られているか?』『買う人に何を伝えたいのか?』

これからいろんな場面で手にするもの目にするものについて、少し考えてみると新しい発見があったりするかもしれませんね。


「おふくわけ」は、“もの” ではないですが、“人に届ける”という点では同じ。

誰に、何を、どうやって伝えるか、今回酒井さんのお話を聞いて、これからも色々考えていきたいと思いました。


・・・なんてちょっとカッコつけましたが、これからも応援よろしくお願いします!



あ、ちなみに酒井さん、おふくわけvol.2の2日前がお誕生日!ということで、参加者の皆さんとケーキでお祝いをしました!


酒井さんおめでとうございました!

またおふくわけに遊びに来てくださいねー!