雨にして人を外れ
2021.12.12 01:49
タイトル:雨にして人を外れ
プラットフォーム:ウインドウズPC
ジャンル:ビジュアルノベル
制作:ジオラマ
入手:2021年デジゲー博にて、サントラ・特典冊子付き
感想
このゲームをやって、自分もビジュアルノベルを作りたくなった。
一人称小説のような、非常に主観的な色の強い世界観が描かれている。
アトラク=ナクアに、似ているなぁと思った。
古いゲームなので、作者さんはやったことないかもしれないけども、先輩=××というのはそっくし。でもまあ、それがすごく評価を下げるかというと、そういうわけじゃない。
この作品はビジュアルノベルとして、良い作品である。見るべきは、ストーリーの新規性というよりも、主人公の気持ち・その場の雰囲気をいかに伝えるか――そして、プレイヤーがそれに浸れるか、というところにある。つまり重要なのは演出だ。
演出については、ほめることばかりだ。
タイトル・OPムービー・一枚絵の扱い方など、素晴らしい限り。絵やシーンの見せ方が上手いのは、このサークルさんが演劇をされていたから……だったりするのかな?
BGMについても非常に雰囲気が出ていてよい。
テキストももちろん良い。書くべき時と、書くべきでないときを、わきまえている。
なによりすごいのは、プログラムやアニメーション。演出を思いついても実装する・実現するのはとても大変で、それをちゃんとやっているのも、すげーと思った。先輩が動くOPなんて、すごすぎない?
物語の展開については、正直に言って、突っ込みどころはたくさんある。
話が急だったり、敵の設定がよくわからなかったり、主人公がさらっと異常者だったり……が、それぞれを詳しく説明したところで、面白くなるわけでもないからね。このままでよいと思う。
制作、お疲れさまでした。