誰からも好かれる音色、マリンバの魅力とは? Vol.1
スタジオラグへおこしやす(バンド・音楽・楽器のお役立ちWebマガジン)に寄稿した記事、
「誰からも好かれる音色、マリンバの魅力とは?(文/高木リィラ)」
を2回に分けてご紹介します。
りんぐリン音楽の核となる「マリンバ」とは、
どんな楽器なのでしょう?
(以下、寄稿記事)
「マリンバ」という楽器をご存じでしょうか?
大型の木琴(もっきん)とイメージしていただけると、わかりやすいと思います。
ピアノやバイオリンのようにメジャーな楽器ではありませんが、演奏形態の多様さ、奏者による表現の幅の広さ、バリエーション豊かな曲目など、あまり一般には知られていない、隠れた魅力が満載の楽器なのです。
今回はそんなマリンバについてご紹介したいと思います。
マリンバの魅力
マリンバの1番の魅力は、何といってもその「音色」ではないでしょうか。
ローズウッドという硬質な木でできた鍵盤を、マレットという撥(ばち)で叩いて音を出します(そのためマリンバは「鍵盤打楽器」に属します)。
木のぬくもりある優しい音色は、誰からも好まれます。
まるで木の精が歌っているかのような、素朴でナチュラルな響き。
「マリンバの音が嫌い」という人に出会ったことはありません。
選択するマレットによって音色が大きく変わるところも、マリンバの大きな特徴のひとつです。
先端の素材が固いマレットを使うと、輪郭のクッキリした音が出ます。
毛糸で巻いた柔らかいマレットを使うと、アタック(打撃)音のほとんどない、柔らかく優しい音です。
マリンビスト(マリンバ奏者)のマレットの好みやセンスにより、同じ曲でもまったく異なるイメージの演奏になったりします。
ではここで、マリンバの柔らかく優しい音色を感じていただける動画をご覧下さい。
J.S.バッハの「G線上のアリア」の名で親しまれている「Air from suite nr.3, BWV 1068」が、マリンバのソロで演奏されています。
「Bach`s Air for marimba solo – Rudi Bauer」
マリンバの歴史
マリンバの原型は「木の板に共鳴用のひょうたんや木製パイプがついた鍵盤型楽器」で、アフリカ、アメリカ、アジアなど、世界各地でもっともプリミティブな楽器のひとつとして歴史上に登場しています。
始めは小型でしたが、グアテマラやメキシコどで大型のマリンバへと発展してゆきました。
メキシカン・マリンバは、民族音楽のひとつのジャンルとして確立されており、国民的人気があります。
メキシカン・マリンバの動画もご参照ください。
通常のマリンバとは音色が異なり、民族楽器ならではのエキゾチックな響きがあります。
やがてメキシコのマリンバがアメリカに渡り、西洋音楽を奏でるのに適した鍵盤配列へ変わったり、鍵盤の下にある共鳴管(パイプ)が金属製になるなどの改良が重ねられ、現在のマリンバの形になりました。
(Vol.2 へつづく)