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佐賀の年金アドバイザーhirokiの楽しく学ぶ公的年金講座

年金が支給されるまでの継続雇用や再雇用と、年金支給開始以降の収入スケジュール例。

2017.07.05 13:07

こんばんは!

年金アドバイザーのhirokiです!


これからは60歳になってもしばらく無年金の人がますます増えてきますが、やはり定年退職後も継続雇用されてる人がとても多いです。

そんな時、老齢年金が貰えるまでの収入と、老齢年金貰い始めてからの収入を考えてみましょう。


というわけで事例。


1.昭和32年8月5日生まれの男性(来月60歳)

※何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法(参考記事)

http://ameblo.jp/mattsu47/entry-12238615402.html?frm=theme

※厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

http://www.nenkin.go.jp/yougo/kagyo/kounen-kaishi.files/kaishi.pdf


この男性の生年月日だと63歳までは老齢厚生年金が支給されない人。




60歳以降も引き続き民間企業に厚生年金に加入しながら継続雇用する事になるも、

60歳以降は60歳到達時以前6ヶ月間の給与の総額を180で割って30倍した額(60歳到達時賃金という)500,000円よりも下がり265,000円となる(60歳到達時賃金より75%を下回る)。

60歳以降賞与は7月のみ300,000円。




なお、56歳の時に厚生年金加入中だった妻を亡くし、日本年金機構からの遺族厚生年金年額200,000円の受給資格有り。


とりあえずですが、20歳から60歳の間に地方公務員共済組合期間150ヶ月有り、

その後民間企業に就職して63歳まで働けば260ヶ月の厚生年金期間になるものとします。

国民年金保険料納めるべき部分は全て未納だったとします(例えばの話です…)。



まず、この男性は平成29年8月に60歳を迎えて翌月9月分から遺族厚生年金200,000円(月額16,666円)の支払いが発生。



夫が遺族厚生年金を貰う場合は妻死亡時に55歳以上であり、

なおかつ60歳にならないと原則として支給されない。

妻が貰う場合はこのような年齢制限は無い。



よって、老齢厚生年金が支給される63歳までは給与265,000円+遺族厚生年金16,666円=281,666円となる。



しかし、給与が60歳到達時賃金より75%を下回っているので雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金(以下、給付金と略す)というのも支給されるとする(手続きは普通は会社がやってくれる。支払は2ヶ月分ずつ)。

金額は下がった給与である265,000円×一定の率(最大15%)。

支給は60歳到達月(8月分から)から65歳到達月分まで。

支給されてる間は雇用保険被保険者でないといけない。



とすると、265,000円÷500,000円=53%となるが、60歳到達時賃金には上限があり、

平成29年8月以降469,500円が上限(この上限は毎年8月1日に変わる)。

※高年齢雇用継続基本給付金上限額等(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000168717.pdf



よって、265,000円÷469,500円=56.4%になる。



給付金支給割合が60歳時到達時賃金より61%未満に下がるため、給付金額は265,000円×最大15%=39,750円



だから、月の収入に換算すれば給与265,000円+給付金39,750円+遺族厚生年金16,666円=321,416円。




で、63歳まではザックリこの収入として、63歳到達日の翌月である9月から老齢厚生年金900,000円(月額75,000円)と地方公務員共済組合からの老齢厚生年金500,000円(月額41,666円)と、

共済組合からの上乗せ給付(経過的職域加算)50,000円(月額4,166円)が貰えるとする。



65歳未満の場合で、厚生年金に加入して働くと、

給与と直近1年間に貰った賞与を12で割った額と老齢厚生年金月額の総額が28万円超えると年金が停止になる場合がある(在職老齢年金による停止)。

63歳になるまでは給与と遺族厚生年金と給付金を貰っていたが、遺族厚生年金は停止になる年金じゃない。



また、65歳前に遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給資格が発生する事になる為この場合は、

両方の年金を貰う事は不可なので老齢厚生年金請求時(請求は63歳到達日の前日である8月4日以降に限る)にどちらの年金を貰うか選択する為、選択申出書というのを出す。


老齢厚生年金請求時に選択申出書を出し、提出月の翌月(9月)から希望の年金になる(遺族厚生年金から老齢厚生年金受給に選択)。



老齢厚生年金の合算額は日本年金機構から900,000円

+地方公務員共済組合からの老齢厚生年金500,000円

+地方公務員共済組合からの経過的職域加算50,000円=1,450,000円


※注意

職域加算は停止額の計算には含めない。

だから職域加算50,000円(月額4,166円)は年金額停止の計算から除くため、老齢厚生年金総額は日本年金機構と共済組合合わせた1,400,000円(月額116,666円)を使う。

ただし、同じ共済組合(地方公務員共済組合もしくは国家公務員共済組合)に加入中は職域加算は全額停止になる。




停止額を算出する際の給与は265,000円ではなく、標準報酬月額260,000円を用いる。

なお直近1年間に貰った賞与30万円を12ヶ月で割った額25,000円も含む。

※標準報酬月額表(日本年金機構)

http://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2016/201608/0829.files/2.pdf

※年金額計算に用いる超重要な標準報酬月額や標準賞与額とは一体何?(参考メルマガ記事)

http://archives.mag2.com/0001666477/20170426200000005.html




この標準報酬月額と直近1年間に貰った賞与(標準賞与額)を12ヶ月で割った額の総額を「総報酬月額相当額」という。


総報酬月額相当額→標準報酬月額260,000円+(標準賞与額30万円÷12)=285,000円


年金停止額→{(合算老齢厚生年金月額116,666円+総報酬月額相当額285,000円)ー280,000円}÷2=60,833円←月年金停止額



日本年金機構から月年金額75,000円と地方公務員共済組合から月年金額41,666円を貰っているので停止額を按分しなければならない。



ア.日本年金機構の老齢厚生年金から停止する額→60,833円÷(41,666円+75,000円=116,666円)×75,000円=39,107円


イ.地方公務員共済組合からの老齢厚生年金から停止する額→60,833円÷116,666円×41,666円=21,726円


よって、日本年金機構と地方公務員共済組合から支給される老齢厚生年金額は、

日本年金機構(75,000円ー39,107円)

+地方公務員共済組合(41,666円ー21,726円)=

35,893円+19,940円=55,833円




また、高年齢雇用継続基本給付金を貰っているが為に更に年金が停止になる。



高年齢雇用継続基本給付金による年金停止額→標準報酬月額260,000円×6%=15,600円

※参考

なぜ6%年金から停止するかというと、給付金が15%支給だと支給に対して4割(6÷15)を年金から停止するって意味。



さっきの在職老齢年金の停止額の按分のように、この給付金による停止額も日本年金機構と地方公務員共済組合で停止額を按分する。


ア.日本年金機構の老齢厚生年金から停止する額→15,600円÷116,666円×75,000円=10,029円


イ.地方公務員共済組合からの老齢厚生年金から停止する額→15,600円÷116,666円×41,666円=5,571円




よって63歳の9月以降の総収入額は、給与265,000円+給付金39,750円+

(日本年金機構からの老齢厚生年金75,000円ー在職老齢年金による停止額39,107円ー給付金による停止額10,029円=25,864円)+

(地方公務員共済組合からの老齢厚生年金41,666円ー在職老齢年金による停止額21,726円ー給付金による停止額5,571円=14,369円)

+地方公務員共済組合の職域加算4,166円=349,149円となる。




で、65歳になったら退職を希望。

年金受給開始の63歳から65歳まで厚生年金加入したので、まあ年金額は賞与分も含めずザックリですが…平均標準報酬額260,000円÷1000×5.481×24ヶ月=34,201円(日本年金機構の老齢厚生年金の報酬比例部分)



また、60歳以降60ヶ月間厚生年金加入した分の経過的加算(老齢厚生年金の部類)という年金も65歳以降プラスになるから、

1,625円(平成29年度定額単価)×60ヶ月=97,500円



だから、日本年金機構の老齢厚生年金(報酬比例部分900,000円+増額する報酬比例部分34,201円+経過的加算97,500円)=1,031,701円



老齢基礎年金は60歳までの期間374ヶ月(63歳時点で厚生年金期間が410ヶ月だから3年間の36ヶ月引いた)だから、779,300円÷480ヶ月×374ヶ月=607,205円



よって65歳以降の年金総額→日本年金機構からの老齢厚生年金1,031,701円+

地方公務員共済組合からの老齢厚生年金500,000円+経過的職域加算50,000円

+老齢基礎年金607,205円=2,188,906円(月額182,408円)



65歳以上になると遺族厚生年金200,000円も併給という形になるが、

夫自身の老齢厚生年金の方が高いから支給されない。

通常は65歳以降は遺族厚生年金が老齢厚生年金を上回る場合に老齢厚生年金を超える差額が支給されるのが遺族厚生年金。



※追記

この男性は63歳になるまでは遺族厚生年金月額16,666円が支払われ、

仮に最短の63歳になる8月4日に老齢厚生年金の請求をしても老齢厚生年金の初回支払いまで大体3ヶ月はかかる。

9月から老齢厚生年金を選択しても処理の関係上、遺族厚生年金が支払われ続けてしまう事がある。


だから、63歳の10月15日年金支払い(8月、9月分)はまだ遺族厚生年金16,666円×2ヶ月分=33,332円のみになってるはずです。

9月分は老齢厚生年金で支給してもらうはずが、遺族厚生年金が支給されてしまうわけです。


で、12月15日支払いになった時には日本年金機構からの老齢厚生年金の在職老齢年金による25,864円×(選択した9月から11月分の3ヶ月分)=77,592円が支払われますが、

9月分の遺族厚生年金16,666円が支払われている為、この77,592円から16,666円が引かれた額の老齢厚生年金60,926円が支払われる。


これを年金の内払い調整という。


つまり、9月分は老齢厚生年金を支払う事になってはいたが、

処理場の関係で遺族厚生年金として支払われた場合は老齢厚生年金の一部が支払われたものとみなされるというわけです。


別に損をしてるわけではありませんよ(^^;;


ちなみに、遺族厚生年金が「日本年金機構」から支払われているので、内払い調整は同じ「日本年金機構」からの老齢厚生年金からしか調整できない。


この男性は地方公務員共済組合からの老齢厚生年金も受給してますが、

共済組合からの老齢厚生年金から遺族厚生年金分を引けないのはその為。

平成27年10月の被用者年金一元化で共済組合からの退職共済年金も老齢厚生年金に統一されたが、

支払い機関が一元化前と同じく機構と共済組合では違うから年金の内払い調整ができない。