ファンタスティック・プラネット
前にこのPVを見たときに「あぁ、久々に見ていいものなのかどうかわからない奴だな」と思ったものです。
知っている人は知っていると思いますがチェコスロヴァキアの映画はすごい。
まだクーキー、闇のバイブル、ノスフェラトゥ、ファンタスティック・プラネットしか観れてないのですがどれも流石としか言えない映画でした。
ルネ・ラルー監督のファンタスティック・プラネット。
原題は「La Planète sauvage」フランス語で未開の惑星。
原作はフランス小説の「オム族がいっぱい」。
原作がどこを探しても見つからず、フランス行くしかない気がしています。
アマゾンがんばれ。
色眼鏡で見るもよし、映像美に浸るもよし、異形にとらわれずに内容だけを感じるもよし。
案外突拍子の無い話というわけでもなく、すんなりと受け入れられる内容でした。
1973年に制作された映画で、アニメ業界での評価がとても高いようです。
簡単に説明を。
・ドラーグ族 でかい。強い。頭いい。半漁人っぽい。
・オム族 小さい。弱い。知能が低く、原始的。人間に似てる。
頭が良くて力でも敵わない。小さくて頭が悪い。
弱者は強者にされるがまま、強者は弱者を思うがまま。
この映画もその通りでドラーグ族はオム族を虫けら扱い、ほぼカブトムシ扱いをしています。
カブトムシって見つけたらほっとくか弄り殺すか飼うかですよね。
殺す意図は無くても殺しちゃった!でもまあ虫だし。いいか。
こんな感じでオム族は殺しても痛くない存在なんですよね。
自分はカブトムシ好きなんで大事にしますけどね。
でもこの扱いは悪い事なのでしょうか?
しょうがないんですよね。
いじめは強者の特権なんです。
どうしても同じ目線で歩むことはできない人はいつの間にか居ないように扱われて、気が向いたら意地悪される。
世間に馴染めない人はのけ者にされるし。
いじめの原点ですよね。ジャイアンとのび太です。
ドラえもんが来てくれることを祈りましょう。
この状況を打破するには未来からの猫型ロボットが来るぐらいのパワーが要るのです。
主人公はオム族のテール君。テール君はドラーグ族のティバちゃんに飼われます。
テール君は脱走を試みながらも首輪をはめられたりアバンシャルドな服を強いられたりティバちゃんと仲良く過ごすのですが、オム族の方が成長が早くどんどんいろいろな知識を蓄えてドラーグ族が勉強の際に使うヘッドセットを盗み脱走します。
近未来的というか全くの違う星でヘッドセットとは言ったのですがヘッドセットの様なものなんですよね。
この世にない物を描こう!となっても無意識にこの世界がベースになってあぁ、あれはビルだな、あれはあの木だな、あれはあの植物がベースだなとなると思うのですが全く、全くのオリジナルの世界なんですよ。
その世界観も見どころです。
あとオム族の顔があまりかわいくは書かれていないので残酷!グロイ!とはではなく
あぁ、害虫駆除をしているのだなぁと一線おいて観ることができますよ。