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『虚無の朝と頽廃の夜の間』

2017.07.06 12:31

 ゆつゆつと固まらないゼリーのような、生ぬるい記憶に纏い憑かれて、進むことも戻ることも出来ない沼に、足を取られて進めない。


 手を翳し、手を伸ばし、届きそうで届かないもどかしさは、あなたへの愛に似ている。


 どちらかが、手放すまで、三竦みのように、動けないまま、灰色の頽廃に抱き竦めるられたまま、不毛な愛が果てしなく続く。


 サティのピアノ、色を失くした空、醒めた月。


 虚無の中に漂う朝と頽廃の夜の間。



photo/文:麻美 雪