二十一歳の理系女子がペンギンのロボットで日本特別賞
【社会報道】 世界最大の化粧品会社ロレアル(OREP.PA)の日本法人である日本ロレアル(代取:ジェローム・ブリュア)は、平成二十九年七月五日に東京・北青山にて『二〇一七年度 第十二回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」』の受賞者発表及び授賞式を実施した。
日本奨励賞は四名が受賞。物質科学から、二十八歳の秋山みどり(らせん型金属二核錯体の合成と発光特性)と二十七歳の小川由希子(構造変化を利用した新しい高機能マグネシウム合金の開発)。生命科学から二十八歳の別所奏子(栽培イネが“のぎ”を失った理由の解明と育種における芒の有効活用)と三十四歳の渡邉美佳(十七型コラーゲンが皮膚維持に果たす役割の解明)。
<VR操作で成りきり>
日本特別賞は一名で二十一歳の近藤那央(“人間の社会に溶け込む未来型ロボット”を創出する次世代ロボットクリエイターとしての幅広い活動を評価)が受賞した。
高校の卒業研究以来、水中ロボットの研究開発に取組む。水中ロボットでありながら動き、見た目を本物のペンギンに再現すべく、マゼランペンギンを触り観察してデータを採り、ペンギン型 水中ロボット「もるペン!(八十㌢、四㌔)」を開発した。動力はスクリュではなく、「はばたき推進」という手法を採用。
機械工学、電気工学、情報工学等を基にモーター等の防水処理や潜水しながらの水流コントロールを実現。ラジコン(無線)操作からテレイグジスタンス(VR)操作へ移行した。ネットを通じてロボットになりきった様に、リアルタイムで映像を見ながら操縦できる。改良を重ねて八代目。
今後の課題はスピードと長時間泳ぐ為の耐久性だ。水中エンタメだけではなく、水中探査等の応用も期待される。更にTRYBOTS代表として全国の子ども向けイベントへの出展や中国、台湾で海外講演も行っている。
尚、同社は八月には日本初のビューティーハッカソンを開催予定。化粧品を通じて得る経験や感覚、効能効果をIoTを活用し評価・共有する手法を提案する事がテーマ。化粧品に関するトレンドや消費者の嗜好に関するデータ等を提供し、デジタル分野のアイディアを広く募集し、今後の製品開発に活用する。そして次世代の理系女子や若手エンジニアを育成していく。
画像引用:TRYBOTS公式HP
画像提供:日本ロレアル(株)