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TOHOKU Roots Project's BLOG

大原研二出演『たまたま』

2017.07.10 14:35

多摩ニュータウン×演劇プロジェクト『たまたま』

パルテノン多摩にて「多摩ニュータウン」を題材に上演される、注目の劇作家・瀬戸山美咲氏が、多摩ニュータウンの各世代の住民の方の証言と、市民ワークショップをもとに「街」を描く演劇作品に大原研二が出演します。


作・演出:瀬戸山美咲

8月4日~6日パルテノン多摩小ホール


~人生は「たまたま」でできている~

1971年に入居が始まった多摩ニュータウン。かつては20代から30代の家族が集まる「若い街」でした。

平日、お父さんたちはまだ暗いうちに家を出て、朝早くの電車で都心の会社に向かい、夜遅くに帰ってきました。お母さんたちは歩道と車道が分かれた安全な街で、子育てにいそしみました。次々とできる団地の1部屋1部屋に、絵に描いたような昭和の暮らしがありました。

街はただの建物の集合体ではありません。たくさんの人が集まると、当初の都市計画にはなかったことも起きました。

20代、30代の家族が一気に引っ越してきたことで、たくさんの野球チームが生まれ、

日曜日にはたくさんの試合がおこなわれました。

深夜、飲み屋のない街には、ラーメン屋台がやってきました。

混雑する朝の京王線では、今日の天気のアナウンスをする車掌さんがいました。

発展する街の影で、消えてしまったものもありました。

かつて、多摩村にいた蛍が消えました。たくさんの自然が消えました。畑が消えました。農業をする人が消えました。

46年目の今、30代だった夫婦は70代になりました。

一新された街も、また歴史を刻んできました。

新しく植えられた木が枝を伸ばし、街は緑に包まれました。

たくさんの子供たちが街を旅立ち、空いてしまった小学校や中学校の建物は別の役割を与えられました。

年をとった住民たちは、団地の4階、5階から下の階に引っ越しました。老朽化した団地は新しいマンションに変わりました。

住民が減るにつれて、商店街の店は閉まっていき、移動販売車がまわる地区ができました。

現在の人口は21万人。当初の住民数の目標30万人には届きませんでした。

街の外の人たちは言います。

「こうなることを予想できなかったの?」

でも、そもそも、人は何年先のことまで想像し、計画していけるのでしょう。

今、日本全体が高齢化し、人口が減り始めています。

多摩ニュータウンのあとも日本中にニュータウンができました。

そのすべての街がこれから直面することが、多摩で起きています。

多摩ニュータウンのこれからの想像することが、日本中の街のことを想像することにもつながります。

計画していた通りに進まなかったとしても、悲観する必要はありません。

かわりに計画していなかったたくさんの素敵な出来事がありました。

そんなたまたま起きたことの豊かさに目を向ければ、この街の未来が見えてきます。

今、ここから変わっていけばいいのです。

それはまるで人の人生そのものです。

これは、多摩ニュータウンという街と、そこで暮らす人々の、「計画」と「たまたま」の物語です。

瀬戸山美咲

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出演:浅井要美 浅倉洋介 石田迪子 大原研二 亀島一徳 小林あや  とみやまあゆみ 中田顕史郎 前原麻希 町田マリー まりあ 目次立樹 山中志歩 山森大輔 吉田能 ワタナベミノリ

音楽:吉田能  美術:土岐研一  照明:上川真由美  音響:泉田雄太  衣裳:高橋毅  ドラマターグ:中田顕史郎

演出助手:石塚貴恵  舞台監督:川除学  制作:小野塚央


8月4日(金)19時30分開演 

8月5日(土)14時開演(アフタートークあり)/19時開演(※字幕サポートあり) 

8月6日(日)14時開演(手話通訳、アフタートークあり)(※字幕サポート、※託児サービスあり) 

【チケット】一般3,500円 学生1,000円 [全席指定] ※未就学児入場不可


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