観光地のイメージは食害対策であっても配慮するべき。
以前、「尾瀬国立公園のシカ問題」を取り上げました。
尾瀬のシンボル的な存在であるミズバショウがシカの食害にあっている問題を取り上げました。 観光業としては、地域のシンボル素材を失う事は、とてつもない被害になるのだが、国立公園でシカを狩る事は非常に難しいという話題を書きました。
今回、そんなシカそのモノがシンボル的存在である、奈良のお話です。 実は奈良でもシカが異常増殖しており、公園外のシカについては駆除も検討するという対策がありました。 食害を中心とした苦情が市民からあったと言う背景があります。
しかし「シカを殺すのはいかがなものか?」という見方も浮上。
「奈良だけはシカを守ってくれている」というイメージや、
外国人観光客が「自然と人が共に共存している風景」としての評価を崩壊させてしまうという理由があります。
またイメージ柄、シカがいて当たり前の環境なのに対し、今回の対策によって「害獣」とされてしまうことに疑問の声もあります。
観光地と言うのは、この様にきわどい部分に立っているケースが多く存在します。 尾瀬のケースもそうですね。 国立公園の自然を観光素材としているのにも関わらず、ミズバショウ保護を理由に駆除があるのでは、元も子もない話です。
しかしミズバショウが無くなれば、尾瀬が人々を魅了する要素が半減してしまいます。 他にも、栗林を媒体として観光農園も、シカに栗を食べられてしまい存続自体に影響が出ているなんてことも。 もちろん、シカを駆除してまで栗を取りたいと言う人が現れるかと言うと、イメージは良いとは言えませんね。
この様に、「やればいい!」「PRすればいい!」というわけではないのが観光です。
元をたどれば、人がシカの住処に足を踏み入れている可能性を考えれば、過去を振り返ってみるもの、未来へ続く対策法が見つかるかもしれませんよ。