田原口智士
2021.12.14 00:23
獣医学部 獣医学科 教授
「オーエスキー病ウイルス感染症の感染防御への挑戦」
オーエスキー病は、ヘルペスウイルス科アルファヘルペスウイルス亜科に属する豚アルファヘルペス1が、自然宿主である豚に感染して起こる病気である。このウイルスが感染すると神経向性があり三叉神経で潜伏感染を起こし、終生ウイルスを持ち続けストレスなどで再活性化する。妊娠ストレスによって、再活性化したウイルスによって死流産を起こすことが経済的に問題になっている。ワクチンは存在するが、そのワクチンは血中抗体を上げることで発症予防する効果はあるが、ヘルペスウイルスの神経向性がある血液を介さない感染がおこるため感染防御能は低い。そのため、ワクチン接種した豚は、感染し潜伏感染をすることから、感染源になる。そこで、発症防御ではなく感染防御を目的に研究を行っている。