「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」を結成
2021年12月、BONDも呼びかけ団体となり、入管の外国人に対する民族差別と人権侵害への反対、難民・外国人への支援活動および啓発活動を 目的とした団体「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」(略称:入管闘争市民連合)を結成しました。
結成主旨
2021年3月6日、名古屋入管で33歳のスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなりました。
長期収容の中で、飲食が困難になり、尿検査の結果、体が飢餓状態に陥っていたことが判明していたのに、点滴などの治療を受けることもなく、見殺しにされたのです。
遺族が来日して、真相究明を求めても、入管は対応せず、8月10日には、入管の責任を否定し、事件を医療体制の問題に矮小化する調査報告書を出しました。
私たちは、ウィシュマさんの死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会を結成して、8月13日と10月1日に、真相究明とウィシュマさんの死亡前2週間のビデオの開示などを求める署名約9万3148筆の署名を入管庁に提出し、9月25日には、全国9か所で約450人のデモなどのアクションを行いました。
ウィシュマさんの事件は、入管が外国人の命と人権を顧みず、強制送還することだけを重視していることを明らかにしました。
司法の監督・審査を一切受けることのない全件収容主義、無期限収容及び強大な裁量権を骨格とする戦後入管体制が、この事件を引き起こしたのです。
この戦後入管体制の背景には、民族差別に根差した入管政策があります。
かつて日本が植民地を求めて侵略戦争を行い、アジアの人々を支配し、差別・抑圧したことを戦後入管体制は引き継いでいます。
外国人を敵視し、徹底して管理・抑圧するこの戦後入管体制を根本から変えなければなりません。
入管は、ウィシュマさんの事件を通じて何も反省をせず、今まで通り、強制送還一本やりの政策を維持しようとしています。
そして、学生・市民の反対運動の力で廃案に追い込まれた入管法改悪法案を、再び提出して、入管の権限を更に強化して、自らの地位を更に強固なものにしようとしています。
私たちは、二度とウィシュマさんのような事件を起こさないために、この事件の真相究明を進めます。
そして、来年に提出されるであろう入管法改悪法案を廃案に追い込みたいと思います。
そして、在留特別許可基準の大幅緩和、国際基準に基づいた難民受け入れ、強制送還一本やり方針の転換を求めていきます。
こうした取り組みを通じて、入管の民族差別・人権侵害と闘う市民の運動を作り上げ、入管政策を根本から変える力を作り上げていきましょう。
入管問題に取り組む全国の団体、個人に、「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」への参加を呼びかけます。
呼びかけ団体・個人
ウィシュマさんの死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会
BOND 外国人労働者・難民と共に歩む会
START外国人労働者・難民と共に歩む会
TRY 外国人労働者・難民と共に歩む会
難民支援・研究団体PASTEL
WITH(旧名・西日本入管センターを考える会)
AWCyouth(アジア共同行動関西青年部)
難民支援コーディネーターズ関西
Save Immigrants Osaka
仮放免者の会(関東)
仮放免者の会(東海)
日本労働評議会
全国学生評議会連合
弁護士 指宿昭一