国語とは、相手の求めているものを返す学問である。コミュニケーションとのつながりは?
「何食べたい?」
「筆箱!」
これは国語力のない会話です。
相手の求めているものに気付けていません。
「何食べたい?」(私はね、麺類は昨日食べたから嫌よ、和食がいいな)
「ラーメン!」
この場合、優れた返答である「和食がいいかなぁ」を返すには、
前後の会話から相手のニーズを汲み取る高い国語力が必要です。
こんな風に、コミュニケーションの場でも使う大切な力が【国語力】です。
初見の文章を読んで答えを出すことが多い入試等で問われるのもこの力です。
生徒たちに説明する時にはちょっと格好をつけて、
「国語とは、相手の求めているものを返す学問である」なんて言っています。
小学生は「おおっ」なんて言ってくれます。中学生はスルーが多いです。
そして重要なポイント。
国語のテストにおける「相手」とは、
多くの場合、【著者】ではなくて、【出題者】のことです。
不思議ですが、本文を書いた本人(=著者)が問題を解いても間違えることがあるんです。
【出題者】の求める、答えを返す。
これが国語の極意です。何とも当たり前ですが、大事です。
「理由は?」と訊かれたら「◯◯だから」、
「いつ?」と訊かれたら「◯◯のとき」など、
語尾なども相手の求めているものによって変わりますから注意しましょう。
そして、「相手の求めているものを見つけて返す」時に使うのが、
【国語力】です。ここには語彙力や読解力はもちろん、テクニック的なものも含まれます。
もう一度前述のプリントを載せておきましょう。
こちらのプリント、島根の雄・黒田教室からの贈り物です。嬉しい限りです。
※このプリント上の説明文のくだりは表記上わかりやすくするために、
求めるものは「筆者の考え」としています。
ここに書いてあるものをいくつか箇条書きでまとめてみましょう。
どれも「相手の求めているものを返す」には、大事なことです。
- 語彙力は好きな文章を読んでいるだけじゃ増えない
- 登場人物に注目する
- 段落に番号をつける
- わからない漢字や語句には印をつけておく(練習であれば後で調べる)
- 接続詞を使って読解する
こういった大切なポイントを押さえて、
国語力を上げていきましょう。
冒頭で会話を例にした通り、
国語力は「コミュニケーション力」とも強いつながりがあります。
つまり、コミュニケーションすることで国語力を高めることもできます。
異文化や違う考えに触れることで知識も増え、読解は楽になります。
ただ、だからといって、
家族や友達との普段の会話で「相手の求めるものを返す」練習ばかりすると、
やたら疲れてしまうので要注意。
もちろんそれが大事な時もありますが、
気の知れた人とその練習をするのは、ほどほどにしておきましょう。
求められるものを、返す力。
そんな【国語力】を伸ばせば、他の科目だって自然に伸びていきますよ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
伝える力、も国語力の一つ。それについてはまた今度。