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連合が遂に労働者へ見切りをつけたか、残業代ゼロ法案を容認

2017.07.14 00:15

【社会報道】 平成二十九年七月十一日に日本労働組合総連合会(連合、会長:神津里季生)は、民進党(代表:蓮舫)に対し「労基法改正案(残業代ゼロ法案)」に対して条件付きで受け入れる方針を伝えた。働き方改革の一環である。


同改正案には閣法として「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んでおり、二年前に国会に提出済みであったが一度も審議されなかった。報道現在で衆院の閉会中審査となっている。民進党や日本維新の会(代表:松井一郎)も同法の改正案を衆法・参法共に提出済みだ。近く神津会長(丙申)は安倍晋三(甲午)総理大臣と会い要請を伝え、政府・経団連(会長:榊原定征)・連合が「政労使合意」を結び、今秋の臨時国会に改正案を出し直す見込み。


連合が要請する条件は企業への有給休暇(百四日以上/年)の義務付け、労働時間の上限設定、「勤務間インターバル制度」の導入、二週間連続の休日取得。十四日付けの日刊ゲンダイ/講談社では弁護士の意見を載せ、有給休暇の百四日を「単に週休二日に五十二週(一年)をかけた数値です。」と、祝日を加味しておらず「ブラック企業レベル。」と断定。この条件では労働強化に繋がるとした。


尚、経団連は三月に時間外労働(残業)の上限を百時間/月と指し示していた。


=解説=

 労組の親玉・連合は民進にとって最大の支持母体だ。よって民進は労働者(使用人)の意見を代弁する事がメインの仕事となる。一部の労組は実質的な労働強化に当然に反発している。これでは神津が裏切ったと言われても仕方ない。しかも神津は十月で会長を退任する。通常、連合の会長は二期四年を務めるが、神津は一期二年で退く。秋の臨会を前に最後の大きな仕事が今回の「労基法改正案」への条件提示となる。


三月には民進の党大会があり、そこで神津は「懸念されるのは内向き志向。そして自分達さえ良ければ良いという考え方の横行ではないかと。」と述べた。「労働組合にとって一丁目一番地の課題であります雇用・労働政策に関して、三六協定の本来の趣旨の徹底や公正取引の担保、そして何と言っても過労死・過労自殺の一層に向けた対策等、様々な観点を踏まえつつ政労使の合意形成に努めて参りたい。」と訴え、民進国会議員に対して「働く者の処遇改善に向けて連携を密にさせて頂きたい。」と強調していた。


その四ヶ月の都議選で民進は第五党にまで落ちた。労働者は民進を選ばなかった。政党にはターゲットがある。労働者を主なターゲットとしているのは、民進と共産だ。共産主義を掲げる共産は社会資源の公平な分配(非資本主義)を目指している。主婦と土建系は公明。使用者と公務員は自民だ。先に大勝した都Fには主なターゲットがなく全方位的。これは大阪維新も同じ。だが日本維新のターゲットは分かり難い。


記事「正社員も安心できない!非正規も考える人生設計」でも伝えたが、労働者の環境は厳しくなるのが働き方改革の本質で、働かせ方改革とも揶揄される。それは、四経済団体の使用者と公務員派の自民が一強だからだ。労働者は選挙でジャッヂできる。故に労働者が無投票だろうが、自身らで現実を望んでいると見做せる。それが選挙だ。事実、共産は着実に議席数を増やしている。


神津の残業代ゼロ法案への容認も、選挙の結果と民進の現状が影響しているのだろう。労働者からの支持が無かったからだ。選挙は日々の人生を左右する重要なものなのだ。


撮影:岡本早百合、金剛正臣