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住む場所は人を変える-プラハが教えてくれたこと-

2017.07.17 05:28

住む場所は人を変える。


そのことを実感したのが、大学生最後の夏のチェコ・プラハでのインターンシップ体験でした。


とにかく自立したかった


就職活動が終わった大学4年の春、私は何だかモヤモヤしていました。


単位もほぼ取り終えたし、アカペラグループを組んで歌うこともできた。


でも、何かが足りない。


それは、高校の頃から憧れていた海外生活でした。


当時、私はとにかく周りの友人に頼りまくっていました。


テストの前日になれば、勉強のできる友人の家に泊まりこんで教えてもらい、就職活動で落ち込めば、泣きながら先輩を呼び出して励ましてもらい…。


周りには感謝しつつも、このまま社会に出てはいけないような気がしました。


そうだ、一人で海外に行こう。


そう決めてからはひたすらアルバイトでお金を貯め、英語を勉強してインターンの面接を受け、あっという間にチェコ・プラハへ旅立っていました。


チェコ人のライフスタイル


インターンは、プラハ近郊の日系企業で資料の翻訳をさせてもらっていました。


驚いたのは、そこで働いていたチェコ人のライフスタイル。


朝は7時半に出勤する代わりに、16時半になったら仕事を終え、サイクリングや散歩、家族との時間を楽しむ。


会社の大きな飲み会があっても、家族との予定があればそちらを優先。


(私のお世話係の方が、私の歓迎会を欠席したのにはびっくりしましたが、そういう価値観もありなんだ…と新鮮でした)


新卒で就職したばかりの頃、自分の要領が悪かったのもあって、毎日7時に出勤しては23時まで働き、本当にしんどかった時期がありました。


でも、チェコの人々の暮らしがいつも心の片隅に残っていて、私もいつかあんな風に暮らせるはず、という思いを持ちながら、何とか乗り越えられたのでした。


日本と違うライフスタイルがあることを、社会に出る前に知ることができてよかったなと思っています。


アートが生活の中に


お世話係のレンカさんというチェコ人の女性が、一度お家に泊まりにおいでよ、と誘ってくれました。


彼女のお家の中にはセンスの良い絵がたくさん飾られていました。


その絵は、間接照明とキャンドルの灯りの中で部屋にしっくりと馴染んでいました。


そこで、私は初めて絵画に興味を持ちました。


プラハの中心街には、アルフォンス・ミュシャの美術館があります。


彼の絵は、美しい女性と花や音楽をモチーフにしていたり、広告ポスターになっていたりとどれを見ても興味深く、美術館=退屈なものというそれまでの考え方がすっかり変わりました。

今では旅行先では必ず美術館に寄るほどアートが好きになり、現在住んでいるアメリカで出会った友人とは、お互い絵が好きなことがきっかけで仲良くなりました。


英語が身近な存在に


チェコから帰国した後に受けたTOEICのスコアは、805点でした。


900点を取りたいなと考えていたものの、新卒で入社した後は業務に忙殺され、5年間全くと言っていいほど英語に触れていませんでした。


このまま英語を忘れていってしまうのかと思っていたのですが、転職後の企業でたまたま英語を使う機会に恵まれました。


TOEIC対策を開始し、久しぶりに受けたTOEICは780点でした。


長いブランクがあったので自信がありませんでしたが、意外と英語力って残ってくれるんだな…と思いました。


オンライン英会話1日30分+隙間時間での学習を継続したところ、1年で890点までスコアを上げることができました。


その後、たまたま夫のアメリカ赴任が決まり、本格的に英語を勉強し始めたのですが、海外インターン時に勉強していた基礎に助けられています。


一一一一一

海外へ行こうか迷っている方へ。


例え最初は明確な目的がなくても、英語で滞在先の国の人とコミュニケーションし、その国の文化を知るために行動すれば、必ず得るものはあるはずです。


私は今専業主婦ですが、チェコでの滞在経験で異なる価値観を知り、アートの魅力に触れ、英語を勉強したことは、今の生活に良い影響を与えてくれています。


少しでも気になっているなら、ぜひ海外へ足を踏み出してみてほしいな、と思います!