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『虎穴にイラズンバ』 / 日本

2016.12.01 15:00

あらすじ

一流のジャーナリストを目指す主人公、高須が学生運動で有名な学生寮、ぽろろ寮に取材に行くことになる。しかし、実際の学生たちは学生運動などしておらず、のらりくらりと暮らす日々を送っている。が、記事になって有名になりたいという思いから取材を受けてしまい嘘をついての学生運動がはじまる。


実行委員による審査講評

"ジャーナリストと挑んだ、ひと夏の学生運動" 

とかく白い目で見られがちな学生運動に勤しむ寮生への誠実な関心から出発した本作は、取材を進めていく内にドキュメンタリーからコメディへと様変わりしたという。その軌道修正を可能にした演出力には目を見張るものがある。無論これはフィクションであるが、単なる皮肉としてではなく、学生運動の現代的な在りようが垣間見えて面白い。主人公の高須は、虚構と現実の交錯を体験した監督自身なのである。


監督について

竹中貞人 

1993年、三重県生まれ。大阪芸術大学の卒業制作『虎穴にイラズンバ』が東京学生映画祭で観客賞を受賞。サウナが趣味。


コメント

小さい頃に観た『グーニーズ』や『トイ・ストーリー』が自分の根幹になっている。何度もセリフを全て覚えるまで見直した。あの頃は映画の監督や役者が誰かもわからなかったが(もっとも知ろうとも思わなかったが)子供心に突き刺さった。自分が映画の道を進むとも思わなかったが、違う人生があったにしろ自分の行動規範はその頃に観ていた映画や漫画によって形成されている様に思う。エンターテイメントとは常にそう言うものでなければいけない。問題に真正面から向き合う実質的な映画も素晴らしいが、僕は子供の心に突き刺さる、誰かの人生に刻み込まれる作品を作りたい。


影響を受けた監督や作品

川島雄三、周防正行


作品情報

2016年
大阪芸術大学
65min<実写部門>
キャスト:西村裕慶、大迫茂生、佐野晋平、長野こうへい、辻岡慎平、清水健太郎
スタッフ:<撮影>倉井陽祐