『The Road』(原題:Зам) / モンゴル
あらすじ
モンゴルの厳しい冬の草原。男2人が、たき火で暖を取っていた3人の男に助けを求めた。彼らは酒でもてなし、たき火の前で休ませた。しかしこの3人の男は遊牧民から盗んだ肉や毛皮を運ぶ車を待っていたのだった……。
実行委員による審査講評
"何かが動いている、ただそれだけで面白い"
家畜密売犯と警察の駆け引きをスリリングに活写した本作は、短編映画の醍醐味をここぞとばかりに堪能させてくれる。技術的な粗さはあるものの、被写体がフレームを出入りするタイミングは芸術的と言ってもいい。過酷な撮影環境の中、ほぼワンカットで綱渡りした制作チームに拍手を送りたい。
監督について
Tsevelmaa Densmaa
1985年、モンゴルのバヤンホンゴル生まれ。Theatre, Art and Cultural University of Mongoliaの監督コース卒業。2013年にはモンゴル国立放送のテレビシリーズ『A Day to Day Sun』、2016年にはTV5のテレビシリーズ『Not yet ending world』のアシスタントを務める。卒業制作として『The Road』を初監督する。
コメント
今回、日本で見てもらえる機会をいただき、大変うれしく思っています。今日のモンゴルでは、遊牧民の家畜が盗難に遭う被害の増加が大きな社会問題となっています。親戚にも遊牧民がおり、私自身もこの問題に心を痛めています。大きな社会問題を小さな出来事から見つめてみたい、そんな気持ちから制作しました。この作品を通して、モンゴルの今を感じ取ってもらえれば、と思います。
影響を受けた監督や作品
R. ドルジパラム
作品情報
2016年
Mongolian State University of Arts & Culture
13min<実写部門>
キャスト:B. DELGERMURUN、E. KHURELBAATAR、S. BAASANKHUU、B. BYAMBASUREN、TS. SODNOBSHISH
スタッフ:<撮影>B.DELGERBURUN