初のエフェクト歌謡?「涙の太陽」誕生!
2017.03.15 15:00
73年安西マリアが歌った「涙の太陽」は、65年のエミー・ジャクソンの日本語カバー盤で50万枚のヒットで暮れのレコード大賞新人賞を獲得。
演奏をよーく聴くと当時の歌謡曲にしては珍しく、エフェクト処理を行った結構凝った音作りが興味部深い。まずはブラスにフェイザーを使用したうねりのあるイントロ。バックの残響音にミュートをかけ、ヴォーカルにはエコーではなくデレイ処理でダブルのように聴こえる処理。エフェクトを用いたのはアレンジした川口真のアイデアらしい。 演奏は東芝レコーディング・オーケストラとクレジットとあるが、スタジオ・ミュージシャンを中心にレコーディングごとにピックアップされる変動的なメンバーの構成。このロックなギターは渡米前の成毛滋ではないかとの説がある。間奏はDeep Purpleの「Highway Star」っぽくギターソロは完コピに近い。しかも間奏での車が走り抜けるようにパン効果を使ったのもこの曲にひっかけたものだろう。 ともあれ73年にエフェクトを凝らし、バンド中心のグルーヴなロック歌謡のこの曲、前半ヴォーカルレスでバックの演奏をとくと聴いていただきたい。