3つのアプローチ
前セクションでは、完コピの重要性についてお話ししてきました。 このセクションでは、基本他の楽器と合わせる場合を想定してアプローチ法を語っていきます。 アプローチは大きく分けて3つあります。
1つ目が「メロディ」です。 曲の主旋律ですね。(一人でピアノを弾くときは大体右手で弾いているフレーズです。) メロディを弾く管楽器やボーカルであればこれは外せません。 ギターやピアノ、ベース、などのコード楽器もこのメロディを 一度は耳コピ(もしくは譜面を練習)しておくことをお勧めします。 メロディーからコードやリズムが出来ている曲が大半ですので コード弾きのときの「歌い回し」の”ヒント”になる可能性があるからです。 しかもよっぽど難しい曲でなければ比較的短時間でできると思います。 2つ目が「バッキング(伴奏)」です。 バッキングとはメロディをささえるリズム演奏やコード演奏のことです。 (一人でピアノを弾くときは主に左手が担当するパートです。)
譜面があれば構いませんが、 手に入らない場合は耳コピをします。
3つ目は「構成」です。
Aメロ、Bメロ、サビなど、その曲がどのような構成になっているかを頭に入れます。
そしてそのそれぞれの構成の中でどの楽器がどういう役割をしているか
(ピアノ独奏であれば、右手と左手がどのような音を弾いているか)
を、なんとなく把握します。(マジなときは僕は譜面にビッチリ書いて残しておきます。) 「メロディ」「バッキング」「構成」この3つが揃えば完コピはあらかた終了です。 管楽器やボーカルであれば「メロディ」と「構成」をひとまずおさえればいいでしょうし バンドのピアノであればソロがなければ「バッキング」「構成」だけでも完コピできます。 いやいや、櫻井さん、そんなこと大体分かってるよ、早く練習方法を教えてよ。 て言われると思います。 なぜこのように整理したかというと、練習をするときにまずどのアプローチから とりかかるのが一番いいかを考えてもらいたいためです。 ただ自分のパートの音取りをするだけではなく、今自分は曲の何を練習しているんだろう ということを考えながらやると時間的にも、ぐっと凝縮された練習法になるからです。 特にピアノやギターなどの楽器はメロディのハモりや合いの手を入れたりソロしたりなど 一人何役もの役割が一曲の中にあったりもします。(一人で弾くときでさえ) そういったときに今、自分はどの役割を練習しているかということが分かっているのと 分かっていないのでは習得時間にかなりの差が出ることを身をもって実感しています。 基本中の基本を侮るなかれ、短い時間で上達するには「整理をして一気にやること」。 これが欠かせません。