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ここがすごいよ歌謡曲

ブラス演歌~藤本卓也の世界

2017.02.17 15:00

71~2年あたりは歌謡曲から演歌まで、JAZZ系のスタジオミュージシャンの演奏が中心の時代、思わぬところでグルーヴな音とめぐり合うことがある。

"夜のワグナー"こと藤本卓也作曲の五木ひろし「待っている女」(72年5月発売)は「嘆きのインディアン」という曲が元ネタだといわれた曲。 イントロのオルガンが「ん?賛美歌か?」と思いきや、「デン・デン・デッケ・デッケ・・・・」とルーズなビートが永遠と続く妙なノリの中、「へ・へ・ヘイ」のコーラスと共にブラスの登場。歌に入るとファズともなんともいえないギターのアドリブ、徐々に盛り上がりサビへ。そしてなんと間奏はトランペット。突然、脳裏にはウエスタンの風景がよぎる。パンクというかハチャメチャなギターのアドリブで終了といった具合。 ”ポップス演歌”第2弾、72年9月に発売の 「夜汽車の女」(作詞:山口洋子 作曲:藤本卓也) いきなり「♪シュババババン」と、岡崎友紀主演のTV番組、18歳シリーズのブリッジ音楽を思い出させる様なシンガーズ・スリーっぽい女性コーラスのイントロ、歌に入ると、ファズっぽいギターのカッティングと、うねりまくるベースライン、ブラスのキメのかっこよさ、ラストのドタバタのなかでギターのピックスクラッチを決めるなどはポップスを超えて、ファンキーソウル演歌である。 この時代、案外ポイントになるのがベースで9部9厘奏者は寺川正興であろう。このうねるベースランニングは70年代前半にまだまだ探すのがまた一つの楽しみでもある。