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想い出

2017.07.16 12:05

久しぶりにおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行った。

90歳越えの二人。


おじいちゃんは、子供の頃の薬の投与ミスで目が見えない。私のとっても自慢のおじいちゃん。今は引退したが、鍼の先生だった。

たくさんの事を知っていて、私の想い出の中では、地理をよく知っているおじいちゃん。

田舎に住んでいて、“どこの道が工事してる”とか、“どことどこが今度は繋がるから、○○へ行くには近くなる”など。子供心に、“おじいちゃん、凄いなぁ~”と、思っていたものだ。

何より、おじいちゃんの側は落ち着く場所だった。



おばあちゃんは、いつも優しかった。

旅行で田舎から一歩出ると、「何が何だか分からないから怖い」と言って、よく私にくっついていた。

かわいいおばあちゃん。


そんなおばあちゃんが、段々とボケてきた。

それに伴って、周りがバタバタしていたので、しばらく会う機会がなかった。



そして今日、私は久しぶりにおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行った。


おばあちゃんはベッドに座っていた。

私はその隣に腰を掛けた。


私のことが分かるのか、分からないのか・・・


それでも、おばあちゃんは優しい顔をしていた。

そして私の膝にずっと手を置いて、じっと座っていた。

その手はとても冷たかった。

外は真夏のうだるような暑さ。

でも、おばあちゃんの手はひんやりと冷めていた。

私はその手を両手で挟んだ。

おばあちゃんの手を温めたかった。


時折発する言葉。何度も同じ言葉。

私の子供達に、

「大きくなったね」


そんなおばあちゃんの瞳は、昔と変わらず、優しさが溢れていた。