ドリフだってビバノン・ロック?~江藤勲に注目!!
「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」(70年4月発売)
60年代、特に後半のレコードのバッキングはジャズ・ミュージシャンが主であったが、70年に入るとGSエイジのメンバーが目立ってくる。
アマチュア時代から”早弾き"ギタリストとして注目されたフィンガースの”成毛滋”もその一人。なにしろあらゆる洋楽ロックのギターフレーズをコピーし、挙句の果てには国産ギター”Greco”の教本テープの先生になってしまうほどであった。
当時は口止め料込でのスタジオ・ミュージシャンのギャラはかなり高く、GSのほどんどのレコードも演奏していたと豪語している。GSの影武者演奏までしていたとも。(風呂敷は少々大きいのをお持ちの方ではありますが)
ベースの江藤勲とよく組んでいたというが、GSから演歌、そしてコミカルなものまで数々演奏しているという。”左卜全”の「老人と子供のポルカ」(1コーラスの後の間奏に一瞬ギターソロのフレーズが入る)そして"ザ・ドリフターズ”にもかなり参加してるという。
これも大ヒットした「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」を聴くとなるほど感がある。ドリフの歌は替え歌が多く、替詞はなかにし礼、編曲は川口真、それに東芝レコードとくればベースはやはり”江藤勲”なのである。当時は作家の意向もあってかプレイヤーは自分の技術を抑えて無難に演奏し、その代わりに今でいう有線放送的な”歌のない歌謡曲”のアルバムがかなり発売されていた頃で、ストレス発散的に思う存分のびのびと演奏していた時代であった。
ただただ面白おかしく聴いていたドリフの曲も、バックは屈指のメンバーで演奏していたということである。しかし成毛の参加レコードに関しては割と自分のプレイをしっかりとアピールしているような節があるんだなぁ。