キャラメルママ、松本隆と歌謡曲の融合
2017.04.15 15:00
アグネス・チャン「ポケットいっぱいの秘密」(74年3月)
アルバム「アグネスの小さな日記」の収録曲だったのが6月に新録でシングルカットされる。松本隆の作詞デビュー作で(作曲は穂口雄右)演奏は”キャラメル・ママ”。
アルバム・テイクは軽やかなカントリー風、シングルではカーペンターズ風なアレンジでとオーダーがあったらしく、ペダル・スチール(おそらく駒沢裕城がプレイ)をメインとしたアップテンポな「トップ・オブ・ザ・ワールド」風なアレンジに変わっている。
”キャラメル・ママ”のメンバーは
細野晴臣(Ba) 鈴木茂(Gt) 林立夫(Dr) 松任谷正隆(Key)の4人。サウンド・プロデュースした荒井由実の「ひこうき雲」での評価は高い。トータル・スタジオワークをこなす新しいバンドとして、74年にアグネスをはじめ南沙織の「夏の感情」、雪村いずみのアルバムなど歌謡曲のジャンルにも進出する。
アグネス、シンシアの曲においては、まだ彼らのサウンドと歌謡曲制作の距離を感じてしまうが、この異ジャンル的な組み合わせが後に様々なミュージシャンが歌謡曲のバッキング参加やユーミンなどがアイドルに曲を提供するなど、70年代中盤あたりからサウンド、曲調が変わるきっかけとなったようにも思える。
(動画は前半アルバム、後半シングル・テイク)