静かなる闘志かな?
2017.07.16 01:57
飲んでいます。
ここ数か月の慌ただしい日々を振り返りながら。
店の壁に貼られた数々のポスターを見ながらこれからの事を考え、
そして一枚のポスターを見ながら昨年の夏を思い出す。
昨年の夏に友人が制作している映像作品にカメラマンとして参加した。
ロケ地は北海道。
東京より涼しいはずのこの地で、息苦しいほどの熱さに苦しんでいた。
「安請け合いするんじゃなかったな。」出演者達の真剣さにたじろいでいる私がいた。
上手く撮れる筈がない。機材、時間、事前の準備不足…
そう思っている私を突き飛ばすように自分が出来る事を最大限に表現しようと走り回る出演者達。
「撮るしかない!」たとえ稚拙な表現になったとしても、少しでも良い映像を撮るのが私の出来る事。熱い彼らを前にあきらめた姿勢でいられない。
そう意気込んでカメラを構えても自分の能力の無さを呪うばかり、後悔を噛みしめる時もなく日程は進み、シナリオ変更は伴ったけどなんとか撮り切った。
そして本来なら今頃は試写会も終わり、今年の撮影のシナリオをもとに準備が進んでいる筈だったが、諸事情により去年に撮影した物の放映はなくなった。
私が語るのは相応しい事じゃないので割愛するが、この作品が始まってから四年間続いていた放映も難しくなり、制作開始から最大の危機に直面している。
友人の監督は苦しみながらも、新たなシナリオを書いて撮影に挑もうとしている。
私は幸運を祈り、グラスをあける。