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馬鹿一と私

2017.07.17 15:23

馬鹿一は武者小路実篤の小説『真理先生』の登場人物である。

馬鹿一は純粋で絵を書くのが好きで、いつも石ころや雑草の絵ばかりを描いている。彼の良さは真理先生しか分からず、いつもみなから馬鹿にされているが、私もまた、馬鹿一が好きなのである。

もし馬鹿一と私が出会ったら、ということを夢想していたらいくつか文章が出来上がった。



馬鹿一と拾い物

馬鹿一は今日、財布が落ちていたのでそれを拾って交番に届けた。

警察官は書類を書いて馬鹿一を労った。

馬鹿一はその後、運を落とした。

馬鹿一は交番にいったが、相手にされなかった。

私は馬鹿一を慰めてやった。

馬鹿一はその後、幸福を拾った。

馬鹿一はそれを再び交番に届けた。

警察官は幸福をポケットにしまって、馬鹿一を外に追い出した。

その後私と馬鹿一は二人で泣いた。 



馬鹿一と天気

馬鹿一は晴れの日が好きで、太陽がでると喜んで外に飛び出していく。

そうして汗をかきすぎて、翌日には決まって熱を出す。

馬鹿一は曇りの日が好きで、日蔭の中で思いきり駆けて遊ぶ。

そうしてはしゃぎすぎて、翌日には決まって熱を出す。

馬鹿一は雨の日が好きで、雨の中を口を空けて空を見ている。

そうして雨に濡れすぎて、翌日には決まって熱をだす。

私は馬鹿一に尋ねたことがある。

今日はほとほどにして、明日も遊べばいいじゃないかと。

そしたら馬鹿一のやつはこう言った。

『今日が精一杯で明日のことは考えられない』と。

私と馬鹿一は二人で笑い転げた。

それから私は二日に一回、馬鹿一と遊ぶようになった。