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移民とブラックアウト

2017.07.19 06:09

SAS Gのオンラインコースでは様々な新聞記事やテレビ番組、ホームーページに触れる中で「その情報、本当に信じて大丈夫?」というのを自分で考えるようにということを学びます。


ついついシェアしてしまいがちなSNSで見るセンセーショナルな記事はもちろん、例えば誰もが信頼しがちなメジャーな新聞の記事なんかでも、実は政治家や政党と深いつながりのあるジャーナリストがその政党の考えを拡散するために書いていることも多いということ。そもそもスウェーデンの新聞はテレビやネットの登場で存続の危機に陥る中、政府の援助が入ってなんとか保たれているとか。


そんな話をしていたら、スウェーデン移住先輩のポーランド人の友人が「そうそう、スウェーデンの新聞は信じちゃいけないわよ」と言ってこんな本を薦めてくれました。


「移民とブラックアウトー狂気的な時代の客観的レポート」

ジャーナリストや大学教授などが、新聞社に掲載を拒否されたスウェーデンの移民問題に関する記事を書籍化したというもの。「難民の受け入れには実際どれだけのコストがかかっているか?どれくらい犯罪や失業者が増えたのか?」あまりメディアに好評されないデータをまとめています。

重ーいテーマだし、分厚くて、全部読むには時間がかかりそうだけど、冬とか家で時間があるときに読んでみたいです。


「移民は国の宝となる!」と身分証明が十分にできない難民なども積極的に受け入れる政策をとってきたスウェーデン。今更、それが失敗だったなんてこと政策を推し進めた政治家達は絶対認めたくない。といった事情もあるようで、ジャーナリストも政府に批判的記事を書いて職を失ったりするのを怯えて移民政策批判はあまりしないようです。


スウェーデンにはテニスコートを会員登録していない人が使っていた。とかちょっとした不正も大嫌いだけど、難民問題とかになると「年齢を偽って難民申請している『子ども』が多い」「難民・不法移民の増加に伴い、犯罪率が増加した」といった話は受け付けない人が多い気がします。「難民はスウェーデンで住居や食料などを与えて助けるよりも、トルコなど彼らが逃げてきた国から近い安全な場所に支援をし、そこで助けたほうが同じ金額でより多くを助けられるのではないか」という意見にも「人種差別!」という思考停止ワードが使われて、「困っている難民がいるならもっともっと助けなければ。」という意見以外は悪者扱いされてしまったり。「もちろん人類みな平等、助け合わなければ!」と天使のように世界中の人に手を差し伸ばすのは一見美しいけれど、そういう優しさを利用して天使が考えもしなかったような悪事を働く人もたくさんいることをわかっていなければますます世界中からナイーブなおばかさんと批判されそうです。


メディアや環境が与える人々の考え方の影響は大きいですね。・・・と書きつつ、私もこの本を全て読んだわけではないし、スウェーデンに来てまだ9ヶ月ほどなので、スウェーデンを正しく捉えられているわけではないかもしれません。


あらゆるメディアに触れたとき、すぐに信じたりSNSでシェアしたりするのではなく、「この情報は正しいのか?誰が何の目的で書いたのか?商品を販売するため?何かの意見を拡散するため?」と考えて自分なりにより突っ込んで調べたり、消化することって大切ですね。