産後クライシスで家庭崩壊…子供達のためにも“イマ”意識するべき事とは?
この記事では、プレママ・プレパパのお二人が産後クライシスを予防し、
家族みんなで心地よい家庭を作っていけるためのヒントを紹介しています。
《目次》
・産後2年が最も夫婦の危機が訪れやすい?!
・そもそも産後クライシスとは
・家族みんな笑顔で過ごす!産後クライシスを防ぐために意識することは?
産後2年は最も夫婦の危機が訪れやすい?!
幸せいっぱいな夫婦生活の中で、
待望のわが子を妊娠・出産。
きっとこれから忙しくても幸せな日々が続く――。
「子供が生まれれば自然と幸せになる」
というイメージが強くある、
妊娠・出産、そして子育て。
しかし、産後2年間が最も夫婦の危機が訪れやすく離婚する確率が高いことは知っていましたか?
平成28年に厚労省が行った「全国ひとり親世帯等調査」の結果報告によると
約4割の母子家庭が子供が0〜2歳の時に離婚をしていることが分かっています。(死別は除く)
3〜5歳のときに離婚を決意した家庭も含めると全体の約6割。
お子さんが未就学児の頃に離婚しているケースが半数以上であることが分かっています。
平成23年のデータを比べてみると、
0〜2歳の時に離婚をする割合が平成28年では増加。
ここをみるだけでも、産後2年が夫婦の未来の分かれ道ということが読み取れます。
そもそも産後クライシスとは?
「産後クライシス」とは出産後2〜3年の間で急激に夫婦間の愛情が冷え込む現象。
2012年にNHKの情報番組「あさイチ」が提唱され、社会的に広がり始めました。
産後クライシスが起こる原因
原因となるものは家庭により様々ですが
考えられるものとしては
①産後のホルモンバランス変化
②産前の生活とのギャップ
③夫婦のコミュニケーション不足
④家事育児に関する価値観の違い、共有不足
があげられます。
①産後のホルモンバランス変化
出産後なぜか夫にイライラしてしまう!二人で助け合いながら子育てしたいけどいちいちイライラしてしょうがない・・・
それはホルモンバランスの変化によるものが一つの原因と言われています。
妊娠出産で女性の体の中でホルモンバランスは大きく変化します。
妊娠中に分泌量が増えていた女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が
出産後に急激に減少。
特に「エストロゲン」はお腹の中の赤ちゃんを育てるために重要な役割を果たしていますが、
急激に減少することでママの脳内では働き方が変化して不安や孤独感を抱きやすくなると言われています。
科学的にも産後は精神的に不安定な状態であることが証明されているんですね。
このような時期に、パートナーのちょっとした言動や育児の価値観の違いを見つけてしまうと産前よりも感情が揺らぎやすいのです。
さらに「オキシトシン」と呼ばれるホルモンもイライラに関係しています。
この「オキシトシン」は“幸せホルモン”とも呼ばれていて、
授乳中や子供と触れあっているとき等に多く分泌され、子供やパートナーへの愛情を強める働きをしています。
しかし、最近では同時に「他者への攻撃性」を高める作用もあるのではないかという事が分かってきました。
つまり、たとえパートナーでも育児や家事に関心がない態度だったり、
心ない言葉が多ければイライラの感情を引き起こしやすくなります。
「イライラ」ではなく、愛情を強めるように働かせるように行動していくことがポイントに。
②産前の生活とのギャップ
出産前は何でも自分のペースでできていても、
赤ちゃんが生まれたらそういうわけにはいきません。
普段から行っていた家事にプラスして
寝かしつけ、夜泣きの対応、三時間おきの授乳・・・
家族の健康管理に気を配ったり、予防接種のスケジューリングなどやることに追われる毎日へ変わっていきます。
朝起きるのも、食事をとるのも、家事をするにも赤ちゃんのご機嫌次第でものすごく時間がかかります。(時にはやりたいことが一つも終わらなかった!なんて日も)
そんなときにパートナーが変わらず飲み会に参加、休日は毎回友達と過ごす、
家族ででかける日も自分の用意だけする等
赤ちゃんが生まれる前と同じような生活をしていたら、心のどこかで不公平感を感じてしまいます。
自分ばかりが子育てしている気持ちにもなり、パートナーへの不満とストレスもたまる一方。
そして、ママが一番孤独を感じやすいのは赤ちゃんと二人きりでいる時間が長い昼間。
特に産後数ヶ月は上記のホルモンバランスがまだ整わない関係で、不安が心に積もりやすくなっています。
③夫婦のコミュニケーション不足
赤ちゃんが生まれたら、もうその後は毎日やることも決めることもおおくて
ゆっくりと話し合う時間はとれない!という家庭がほとんど。
さらに普段の育児や生活スタイルの変化からお互いに疲弊していると
お互いの嫌なところにばかり目がいってしまい、
顔を合わせれば喧嘩という状況にもなり、
話す方がストレスを感じやすくなってしまうのです。
すると、次第に会話が減り生活で必要な連絡事項のみ伝え合うというような
冷え切った夫婦関係になってしまいます。
そして、「産後のセックスレス問題」についても産後クライシスでは避けて通れない課題です。
個人差はありますが、ここでもやはり産後のホルモンバランス変化でママの性欲が一時的にダウンするケースがあります。
私自身もその傾向にあり、パートナーのことは好きなのに気持ちが向かないという時があります。
ここで行為に対して「嫌な気持ち」だけ伝えてしまうのは、さらに関係悪化を引き起こすリスクが高まります。
「あなたのことはこれまで通り愛している。でも今は気持ちが向かないから少し時間がほしい」といったプラスの感情も伝えることが大切です。
両方の気持ちを伝えた上で、お互いにとってどのような性生活を送ることが良いのかを考えてみましょう。
ここでうまくお互いの気持ちを伝え合い、双方納得のいく性生活が送れていないことが原因で夫婦仲が冷めてしまう原因にもなり得るのです。
④家事育児に関する価値観の違い、共有不足
「夫婦2人」の生活はうまく行っていても、
そこに生まれてくる赤ちゃんが加わったときの生活イメージがお互いにできていないと、
子育てがスタートしたときに躓いてしまいます。
プレママのうちからパートナーと子育てに関する知識を一緒に学ぶ、子育てへの想い・価値観の共有、子供が病気になったときの看病の体制など事前に話しておくことで、
子育てをしていくための土台が作りやすくなります。
家族みんなで笑顔に過ごす!産後クライシスを防ぐために意識することは?
パートナーと生まれてくる赤ちゃんと笑顔で幸せな家庭を築いていきたい!
そんなプレママ・プレパパのお二人が今できること、産後意識して欲しいこととは?
プレパパ、プレママ別に紹介していきます。
プレパパに意識してほしいこと
①産後3ヶ月は特に育児に関わる姿勢や、ママが休めるような環境づくりに努める
出産後のママの身体はボロボロ。
交通事故後の全治1ヶ月の身体ともいわれています。
さらに産後のホルモンバランスがまだ整わないこの時期は普段は気にならないようなちょっとした言葉や行動に敏感になっています。
できるだけ、ママが無理をしないように
休めるように家事育児に積極的に参加していきましょう。
そして、男性はどうしても子供を産める性ではないので親としての気持ちを持つことがなかなか難しい部分もあるかもしれません。
だからこそ、ママと一緒にこの時期を乗り越えることで「父親」としての自覚も持ちやすくなるはずですよ。
②「赤ちゃんにとってはママが一番」の考えを捨てる
男性側にありがちなのは、赤ちゃんが泣いて自分が抱っこしても泣き止まないときに
「ママがいいって」と任せてしまうこと。
たしかにママに任せたほうがスムーズにいくこともあるかもしれませんが、
ママも出産を終えて、最初からうまく対応できていたわけではないんです。
赤ちゃんと関わる中で毎日何故泣いているのか?いま何を欲しているのか?
考え、試行錯誤しながら、
赤ちゃんを泣き止ませる方法や安心させるための手段を見つけています。
まずは赤ちゃんと関わる時間を増やすことを心がけてみてください。
関わる時間が増えれば、赤ちゃんにとってパパも安心できる存在になっていきますし
パパ自身もだんだん赤ちゃんのことが分かるようになってくるはずですよ。
プレママに意識してほしいこと
①誰かに頼ることに慣れておこう
「自分でやったほうが早い!」と思うことも多いかもしれませんが、
子育てが始まると自分ひとりでは手が回らなくなることが多くなります。
すべて自分だけでこなそうと思うと、
負担も増え時間もかかるようになってしまいます。
そこで少しでも誰かに甘えられると、
自分が休む時間や一人で過ごす時間を作れるので、結果的にそれらが心の余裕にも繋がってイライラを減らせます。
妊娠中から周りの手を借りることに慣れておくことで、子育てが始まってからの自分自身の負担を減らすことができるようになりますよ。
②感謝の気持を言葉にする
子育てが始まって、最初の頃はお互いに新鮮な気持ちで何かしてくれたことに対して
心から「ありがとう」を伝えられるかもしれません。
しかし、それが習慣化されていってやることが「当たり前」になり始めたときに感謝の気持を表現することを特に意識してほしいのです。
これは私自身の話ですが、
私の口癖は「ごめんなさい」でした。
(現在でも多少使ってるかもしれませんが)
例えば、パートナーが自発的に食器洗いをしてくれたときにはもちろん「ありがたい!」
という気持ちもあるのです。
しかし、どうしても最初に伝える言葉が
「洗い物やってくれたんだね、ごめんね。ありがとう」でした。
心のどこかでパートナーに家事をしてもらうことが「申し訳ない」気持ちがあったから
「ごめんね」という言葉が先立ってしまっていたのです。
ある日、パートナーへそのことを話すと
「気持ちは分かる。決して感謝されるためにやっているわけではないけれど、どちらかといえば、謝る言葉よりも感謝の気持を最初に言われた方が僕は気持ちが良いよ!」
と返ってきてからはなるべく感謝の気持ちをまずは伝えるように意識しています。
最後に
妊娠中から夫婦で子育てが始まってからの生活を見据えておくことで、
実際に始まったときのギャップをできるだけ小さくすることができます。
幸せいっぱいの生活の中ではなかなか子育ての辛さや夫婦の危機は想像しづらいものですが、事前に予防することは大いに可能なので
ぜひ一度お二人で子育て生活のビジョンを話し合ってみてくださいね。