プロジェクトパック16の5日目
pp16の5日目です。
マリアさんの美しい描画、リックさんの解説。素敵な回でした。
灰色の丸タイルに描きます。大きさはCDと同じです。
ペン類の他に、今日はタオルとスプーン、綿棒を使います。
感謝でスタートして、鉛筆で点を6個打ちます。均等でなくて良いです。これをカーブで繋ぎます。動画を見てくださいね。
カーブした6角形の内側を、濡らした綿棒で湿らせます。タオルの上で、スプーンで裏から押して紙を伸ばします。私は筆で水を含ませました。コットン紙なので、結構水を吸い込みます。今回3次元的にするのがテーマ。中を膨らませてエンボス加工みたいにされました。面白いです!
様子を見ながら何度も爪やスプーンでぐりぐりされてました。私はキャップをはめたジェリーロールでぐいぐい押しました。乾くと形がそのままになります。
6角形の外側にオーラ。2本細く、3本目は太めに、ここにナイツブリッジ。
マリアさんはこういう時ナイツブリッジをよく使われます。
「なぜだかわからないけど、ナイツブリッジを入れると、深刻な感じがなくなる気がする。描いてると笑顔になるの」と。「コントラストがあって、リズムがあって、良いね、」とリックさん。
またオーラを足します。「違う模様を合わせるとき、オーラの余白があると模様同士がぶつかるのを防いでくれます。オーラはいつも大切な部分です。」とリックさん。
マリアさんはこれから「ボーダーみたいなものを描きます」
書かれたのは、いつもよりちょっと大きなポークリーフです。幹みたいなディテールを入れて、葉っぱの片側が翻った感じに。全部の角にまず1本づつ描きます。
右側に後ろにあるかのように描き足して、また時計回りにぐるっと増やしていきます。
次に左側に、、、書き進めながら、全体のバランスをとっていく感じです。
マリアさんはポークリーフを褒め称えておられます。「折りたたんだみたいにここに入って、とても順応性が高い(どんな空間にも描きやすい)から、古い写本などにもよく描かれてますね。」と。
ポークリーフとポークルートは、隙間に描きやすく、大きく描いたり、繋いで描いたり、本当に順応性が高いです。
隙間ができたところには、ポークリーフを描き足します。「誰も数えないし、気にしないで大丈夫。」とマリアさん。すごくキチンと「3枚の葉」みたいなパターンになっていたらもしかしたら気になるかもしれないところですが、いろんな形で絡み合っているので、完成したら全く気にならないです。私は大ぶりに描いて、隙間が大きかったのであちこちに書き足しました。
マリアさんは、一部分づつ完成するように描くのではなくて、一つ描く→全体に同じことをする→右に足す→全体に同じこと と、増やしていかれました。「それぞれのセクションでそこだけ仕上げて行ったら、今描いてるような感じには描けないね。」とリックさん。「全体がどうなるか、わからないで描くことで、より自然に、植物が育っていって空間が埋まったような雰囲気になっている。」ことを説明されてます。
勿論、マリアさんは見本を描いてデザインを決定して録画に臨んでおられるのですが、描く人が「ゼンタングル」を体験できるように全体を組み上げておられます。
出来上がったデザインを同じような完成形に描くのが目的ではなくて、全体を予測しないで一つ一つを描き進めたら自然に全体が出来上がる。これがゼンタングルの面白いところです。
そして、リックさんが言うように「全体をこうしよう」として描くよりも、全体がわからないまま描き進める方が、より自然に美しい形に描けるのです。
次にポークリーフにオーラして、、このオーラも、極めて複雑で美しい形に自然になっています。
銀のジェリロールでタイルの真ん中から発しているように、方向を決めてぐにゃぐにゃ線を引いて、オーラします。ミストというタングルの形です。
「オーラをしていくと、予期しない細部の形が簡単に描けます。」とマリアさん。
絵を描いていて「ここに何か欲しいけど、意図的な形を入れたくない」時に、この感じ、ピッタリです。
ぐにゃぐにゃ線の途中で紙からペンを意識的に話すと、スパークリングの効果があります。
マリアさんはさらにプランタンを描かれました。私は隙間が小さくなったので、線だけにしておきました。
さて、いよいよ真ん中のスペースに。中に丸を描きます。これも「きっちり真ん中ではない方が、より自然な雰囲気になりますよ。」と。なるほど。
そこから角に、スポークを。ベールズというタングル、あるいはトリポリのように、お米型を。動画を見てくださいね。とても綺麗です。
もう一枚、描き初めと描き終わりがくっついたオーラを。中にブロンクスチアの粒々を。柘榴のようです。
シェーディング。とても美しいです。動画を見てください。ナイツブリッジの部分、片側のきわだけ影を入れて、白チャコでスッと線を入れるようにハイライトを。単純な書き方でぐっと立体感が出ます。キラキラした感じも。微妙な細部が全体の表情を変えてしまいますね。
白チャコールを使う時「どの程度の力加減で書くとよいか、は、練習してね」と、マリアさん。リックさんが「芯を折ってね」と。折れるんですよね。削る時。私はカッターで削ります。
マリアさんは何度も、少しずつ影を入れたり、ペンを入れたり、繰り返して完成に近付けていかれます。「タイルを見て、戻って、前には考えなかったような、何かを足して、そういう繰り返しは本当に自分のインスピレーションでやることで、誰かの何かを真似することではありません。」とリックさん。
「計画してたことではなくて、その時々にやってみよう!と思いつくこと。だから、いつも言うように、間違いは素晴らしいです。なぜなら、間違ったら、計画してなかったことを試してみる必要が生まれて、そこからインスピレーションが湧くから。」
すごく美しいタイルができました!マリアさんは用意されてた見本を見せてくださいましたが、それは少し本番のものとは違います。いつも少しずつ違ってくる。ゼンタングルって本当に面白いです。
単純で誰にでも描ける提案で、優美な作品が描ける。プロジェクトパックの提案はいつも基本に立ち返らせてくれて、その上工夫する余地を与えてくれてる感じがします。
私は今日は水彩色鉛筆で色を足してみました。楽しかったです!