ZIPANG TOKIO 2020「神さまが住む町、 能登町聖地巡盃『姫どいやさ祭』」
『どいやさ祭』船揚げ場にて3台の袖キリコが伝馬船に積み込まれる模様は見応え十分
能登町を知っていますか!
能登半島を左手に例えれば、親指の腹(爪側の反対)の位置にある能登町。
人口は約20,000人の小さ~な町ですが、1300年以上続く農村文化やあえのこと ・ キリコ祭りなど、伝統的な文化が多く残っています。そんな中、農村の暮らしと結びついた風習や文化が高く評価され、能登は国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に登録されました。
能登の里山里海
三方を海に囲まれた能登は、自然と神仏と生活が混然一体となった、原風景の濃縮地であるともいわれる 。古来より、能登には、海に開かれた「海の道」を通して、さまざまな文化が押し寄せた。また、能登には、それほど高い山がなかったため、海の幸、里の幸、山の幸にほどよく恵まれた。能登では、このような海・山・里の実りに感謝するとともに、新たな実りを期待する行事が数多く生まれ、生業・生活に密着して、今日まで育まれてきた 。
能登の年中行事は、「あえのこと」などの農業(水田)に関するもの、山祭りなどの林業(山)に関するもの、起舟やアマメハギなどの漁業や海に関するものに大きく分けられ、季節のサイクル、農林漁業の節目にあわせて行われてきた。以下の図に示すように、能登には、多様で多彩な行事が、数多く現代に伝承され、今も、自然のサイクルに合わせ、生活に密着して営まれている。
※田の神様(あえのこと)
奥能登では、収穫後の12月5日、田から田の神を自宅に迎え、耕作前の2月9日、再び田へ送り出す「あえのこと」と呼ばれる伝統行事が行われている 。「あえ」は、饗応(おもてなしをすること)、「こと」は、祭りを意味するとされる。
ユネスコ無形文化遺産に登録されています
※起舟
能登の海沿いの集落、特に漁業従事者の多い地区で多く見られる、漁民の仕事始めの行事が、正月11日(現在は2月11日に行われることが多い)に行われる「起舟」である。キシュウ・キッシュウ・キッショウなどと呼ばれるほか、船起こし祭りともいう 。舟に大漁旗、鏡餅、榊、松などを飾って、豊漁を祈り、船主・網元宅で酒宴を催すことが多い。
※アマメハギ
能登の海岸地帯では、年越しの日に相当する正月6日や節分の晩に、アマメハギと呼ばれる、海の彼方からの来訪神により、正月の年越しを祝い、春を迎える行事が行われている。民俗学では、アマメハギは、秋田県男鹿半島で小正月(15日の晩)に行われるナマハゲと似た意味を持つ行事とされる。
能登のアマメハギ
能登のアマメハギ
秋田県男鹿半島で小正月(15日の晩)に行われるナマハゲ(詳しい内容を知りたい方は2017年1月23日の~なまはげ柴灯・せどまつり~の記事をご覧ください)
世界農業遺産とは
日本では、「能登の里山里海」(石川県能登半島、2011年6月)、「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県佐渡市、2011年6月)、「静岡の茶草場農法」(静岡県、2013年5月)、「阿蘇の草原の維持と持続的農業」(熊本県、2013年5月)、「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」(大分県、2013年5月)が認定されています。
山にも木にも、岩にさえも心や魂を感じとり、豊かな自然、優しい自然に畏敬の念と感謝の気持ちをもって暮らしてきた日本人。
八百万の神々に守られて神社の境内で遊び、困った時にも、胸弾む期待にも、ふと気がつくと手を合わせ、お願いごとや感謝の気持ちを伝えていました。
そうして、少しだけ気持ちが軽くなり、少しだけ力が沸いてくるのです。
一方、自然の恵みと人間の工夫が生み出す日本人の命の源、お米。
そして、白い硬い小さな粒が、心を潤し安らぎを与える液体へと変わる、日本酒の神秘。その中には日本人の英知と努力の歴史が込められています。
全く異なる存在に見える神と酒、ですが、実は、八岐大蛇の神話の時代から密接な関係で結ばれていた・・・・・・。
北広島町の芸北神楽「建速須佐之男命の八岐大蛇退治」
そこに見出すことのできる日本の、そして日本人の心。
そんな「心の奥にある日本」を呼び起こす旅、「聖地巡盃」に出てみませんか。
酒垂神社
酒垂神社は、平安時代のはじめ(833年~850年)に創建されました。その昔、神様がアイの風が吹くままに酒樽に乗ってやって来たと言い伝えられ、お酒の神様が神社名の由来にもなっています。神社から見下ろす町並みの景観に昔ながらの日本の原風景を感じることができるでしょう。
宇出津地区を守る酒垂神社に奉られている大山祇命(おおやまつみのみこと)は、長寿の神である岩長姫(いわながひめ)と、美貌の神である木花開耶姫(このはなさくやひめ)の二人の娘を宮家(ににぎ)に嫁がせたとされています。
酒垂神社を参拝し、お父様のご利益を得て、美しく健やかなパワーをいただきましょう。そして、この地域で北東から吹くとされている「アイの風」を感じながら石畳を歩いてみましょう。
あいの風はあゆの風ともいい、春から夏にかけて、日本海沿岸で吹く、北ないし北東の風。
万葉の歌人、大伴家持は富山に国司として赴任した折に
「あゆの風 いたく吹くらし 奈呉(なご)の海人(あま)の釣する小舟 漕ぎ隠る見ゆ」
という歌を詠んでいます。
鶴野酒造
能登という、自然が豊富で伝統が受け継がれる酒造りに適した土地柄で二百年以上も清酒製造の蔵元を続けてきた鶴野酒造店。
豊かな湧水と、良質米を原料に、長年の伝統と優れた技による酒は、米本来の熟成された旨みと香りをかもし出す風味、能登の人々のように優しく、自然で滑らかなさらりとした飲み口です。
歴史ある蔵にて全てをその手で、一本一本味を確かめ納得いくまでこだわった、ここでしか絶対に味わえないお酒が造られています。
松波酒造
明治元年創業。能登杜氏による極寒仕込みの酒造りを続けています。代表銘柄は「大江山 おおえやま」で純米酒や大吟醸、季節限定のにごり酒や生原酒があります。
最近は能登の野菜や果物を使ったリキュール(柚子、柿、梅、トマト、ゴボウ)が女性に人気です。酒粕や柿、干柿なども販売しています。要予約で酒蔵見学も通年開催、個人からバスツアーまで受け入れています。
数馬酒造
明治2年創業『心和らぐ清酒(さけ)造り、心華やぐ会社(いえ)作り、心豊かな能登(まち)創り』を理念に、常に新しいことに挑戦しつづける蔵です。「米・水・技」全てを能登産で醸す、MADE IN NOTOを目指しています。
石川県能登町での聖地巡盃。「神様の住む町」で神社と蔵を巡り、聖地巡盃を体験してみては・・・
能登町の夏祭りの主役は「キリコ」と呼ばれる大きな奉燈。神輿の先導役としてまちを練り歩き、夜には明かりが燈され、人々に担がれてゆらゆら揺れる様は、夏の夜を幻想的に彩ります。
一口に「キリコ」といっても土地ごとに大きさや形状に違いがあり、お囃子も独自のものがあります。真っ先に行われ、夏の到来を感じさせる宇出津の「あばれ祭」。形が特徴的な鵜川の「にわか祭」や小木の「袖ぎりこ祭り」。キリコの高さで他を圧倒する「柳田大祭」などなど。奇祭とも言われる能登町の祭を、ぜひ現地で体験してみてください!
どいやさ祭
起源については残されているものは無いが、当時の長老の話の中にも、伝馬船に乗せて、風に流された事などが書いてあり、姫漁協はイカ釣りが盛んで、北海道へイカ釣りに行くようになってから、祭礼の時期が変わった事なども書いてありました。また、祭りは海上の安全と大漁を祈願するものとも書いてあり、真脇も戦前までは袖キリコを出していたと聞いている。
小木、越坂もそうですし、旧小木町は袖キリコ文化圏だったと思われる。姫の袖キリコと小木、越坂の袖キリコは、形が少し違い、姫の絵は基本的に前面に描き、人物の背景の絵は、色紙を貼り、奥行きがあるよう遠近法で描く。
1970年代、諸事情により祭が簡略化されていたが、2000年に地元の方々の努力によりもとの形に戻った。
どいやさ祭
「弘前ねぷたまつり」の『扇ねぷた』『組ねぷた』(下の写真)とよく似ておりその昔、両地域の交流の深さをうかがわせる。
『扇ねぷた』『組ねぷた』について詳しく知りたい方は、2017年7月2日の記事【 弘前ねぷたまつり 】をご覧ください。
今回はその中でも、巨大な袖キリコ6基が町内を練り歩く姫地区の祭礼「どいやさ祭」の紹介です。
「どいやさ祭」では、3基の袖キリコを船揚場の波打ち際まで降ろし、2本の積棒(つんぼ)を袖キリコの台に差し込み、太鼓や囃子に合わせて持ち上げ、伝馬船に積み込むところが一番の見せ場です。
男たちが力を合わせ袖キリコを持ち上げ、伝馬船に積み込むと観客からも一斉に歓声が沸く
開催日時 7月23日(土) 毎年7月第4土・日曜日
【見どころ】
22時頃に、船揚げ場にて3台の袖キリコが伝馬船に積み込まれる模様は見応え十分。積込み後、伝馬船で港内を巡航する袖キリコの灯りで海面が照らされ、花火が打ち上げられると、幻想的な雰囲気に包まれます。
開催場所 能登町姫地区全域
お問い合せ先 0768-62-8532 (能登町ふるさと振興課)
能登町交通アクセス
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
能登町ふるさと振興課
〒927-0492 石川県鳳珠郡能登町字宇出津新1字197番地1 電話番号:0768-62-8532
男鹿市観光商工課 〒010-0595 秋田県男鹿市船川港船川字泉台66番地1
TEL 0185-24-9141
一般社団法人 能登半島広域観光協会 事務局 石川県七尾市三島町70-1 七尾産業福祉センター1階 TEL.0767-53-7767
石川県観光連盟 〒920-8580 金沢市鞍月1丁目1番地 電話番号:076-201-8110
石川県神社庁 〒920-0811 金沢市小坂町西44番地 TEL:076-252-7771
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号 03(5253)4111
公益社団法人 青森県観光連盟 〒030-0803 青森市安方1-1-40 TEL:017-735-5311
公益社団法人 弘前観光コンベンション協会
〒036-8588 青森県弘前市大字下白銀町2-1 弘前市立観光館内
TEL 0172-35-3131
一般社団法人 北広島町観光協会〒731-1533広島県山県郡北広島町有田1122
(道の駅舞ロードIC千代田管理棟内) TEL:0826-72-6908