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先週のいろいろまとめ。〜はじめての競艇場〜

2021.12.20 12:32

先週の火曜日は、冷たい雨の中、初めての街へ。

大晦日みたいなキンキンの冷たさだったけれど、雨はどこか暖かく感じられて、ゆるゆる歩くのに最高の日でした。

地元同士で、不用品の譲り合いができるジモティーというサイトを、ちょくちょく利用させて戴いている。

我が家の二口コンロ、ケトル、布団乾燥機、衣装ラック、コリラックマの貯金箱、ハウスダスト用の掃除機のヘッドも、全部ジモティーでお譲り戴いたもの。

ありがてえ。

今回も、ある調理器具をお譲り戴きに行ってきたのでした。

地元といっても、取りにいける範囲であればお問い合わせができる。

今回も、電車を乗り継ぎ、駅から片道15分のご自宅まで伺った。

寒い雨の中来ていただくのは申し訳ないと仰って下さったのだが、寒いのも雨も歩くのも全部大好きなので、ご心配なさらずとお伝えした。

到着すると、人の良さそうな細身の女性が出てきて、雨に濡れてしまうからと念入りな梱包をした品を渡して下さった。

ジモティーで関わる方、総じて、めちゃくちゃ良い人。

「ありがとうございます!ありがとうございます!寒いのでお気をつけて!」

と、目の前のご自宅に帰るあちらとしては、こちらの台詞ですと困惑する挨拶を放ち、その場を去る。

わざとでは、ないのです。

テンパると、だいたいこういうアホなことを言うのです。


先日、中学の同級生の武田くんのお笑いライブを観に行った際もそうだった。

音香ちゃんと帰ろうとしたところ、帰りの階段の上で武田くんがお見送りしていて、いると思わなかったので激しく動揺し、

「日本酒、呑まれますか!?」

と、突然の質問をブチ込む。

なにがなにやらわからないまま、たのしかったですまたきます!と伝えて外へ。

音香ちゃんが、

「じゅんじゅんさんが、ヤバい!」

と言って驚いていた。

その前にカフェで、

"相対する相手や環境、それこそ1秒でも違えば、誰しも別人になってしまう"

といった話をしたところであった。

「さっき!言ったでしょ!こういうことだよ!!」

と、恥ずかし乍ら小さく嘶き、呑み直すぞー!と夜の歌舞伎町へ吸い込まれていった。

中学時代から勝手に、

「TKD(たけだくんの私の勝手な呼称)は、ぜったいおもしろいひと。」

と思って隠れファンをしていたので、実際に対話したこは、ほぼない。

ゆえに、お互い敬称はおろか、敬語なのかさえ定まらないという、謎の仲。

普段のまことしやか且つハッピッピキャラから一転、だいぶ痛々しい陰キャの一面を見せたのだから、音香ちゃんの反応は正しいものであろう。

そう、人間、ガチだと、テンパる。

冬にも関わらず、プチトマトちゃんと思しき実がなっていて、おもわずパシャリ。

かわゆし。

ジモティーですこし遠くへ出向くというのは、知らない街を歩く楽しみもセットで、すごく好きなのです。

見たことのない街並みはとても新鮮で、気持ちが良い。

あ、あの街のあそこに似ているかも、と気付くたびに、そこに住まう人々や、その場に根付く生き物達の息吹がたしかなもののような気がして、『ぼくらはみんないきている』という唄を思い出す。

太陽の光って、本当に血潮まで透かすんだよね。

ばかばかしくても、やってみると、本当で、ああ世間体とかって、笑っちゃうなあって。

もっともっと、考えるより先に、手を伸ばしていいし、求めていい。

それは、搾取や独り占めとは違う。

なるがままに、なすがままに、好奇心の葉脈を伸ばしていく幸福。

生きることの喜びだと思う。

この日は長くなるであろうと踏んでいたので、お弁当を拵えて行った。

お弁当作りは好きなのだが、勤め人でないので、なかなか作る機会がないのだ。

前職で同期のさかまくんに、

「いい歳して、その弁当箱はないわ。」

とドン引きされた、コリラックマの顔面弁当箱。

なんでや。

私は、めちゃくちゃ検索しまくって、これ最高にかわいいやん、と買ったんやで。

後ろに見切れている諸々でお察し戴けるだろうか。

投票券。

そう、こちら、船堀にある江戸川ボートレース場なのである。

前々から気になっていて、遂に来ちゃった、競艇場。

丁度、ジモティーの受け渡しが近場だったので、あれ、これ徒歩圏では?と、30分くらい歩いて行ってきました。

この日は、江戸川でのレースは無かったのだけれど、他の競艇場での投票券は購入出来ると知ったので、逆に初心者には良いかなと突撃。

「もうわかっているよね?」

という、伝統芸能にありがちな空気感に慄きつつ、流されぬようにグッと地を踏みつつ。

競馬場はもっと、初心者にも入りやすい開けた感じなのだけれど、競艇場はかなり殺伐としている。

戴いた調理器具をかかえて、おろおろと歩き回っていたら、非常に渋い顔をされたおじさまが近付いてきた。

やばいなんか怒られるのかな、とビクつきながら右耳のイヤホンを外すと、

「そんっなもん持って、歩き回らない!荷物は、あそこに、置く!!」

と、ずらりと並んだ座席へ案内された。

口振りは少々荒っぽいが、なにやら親切心で声を掛けてくださった模様。

競艇場は初めて来た人間に親切じゃないと憤慨していらっしゃり、冷暖房もケチっているなどの内部事情まで、事細かにお話して下さった。

ごめんね、話が長くてね、と、去って行かれたと思ったら、3メートルくらい離れてから引き返してきてまた話を展開するという御業を6回くらい繰り広げたのち、

「缶チューハイ、2本呑んじゃってね!」

と笑顔で仰っていた。

納得である。

私は全然迷惑ではないし、寧ろ右も左もわからんちんだったので、とても嬉しかった。

おじさまと別れた後、話しているうちに終了していた投票券のレース結果をネットで調べてみる。

今回は残念ながら、ビギナーズラック、ならず。

400円分、全部ポカでした。

見方があっているのかも分からなかったので、念のために機械に入れてみたら、

「この投票券は、当選しておりません。」

というデカいアナウンスが流れてきてめちゃくちゃ恥ずかしかった。

競艇場、侮り難し。

壁のあちらこちらにある、昔の映画の看板がレトロでとっても素敵でした。

手描きなんだよね、これ。

すごい。

今回は開催が無かった為、入場無料でしたが、レースがある場合でも、入場料はたったの100円。

3階にある有料スペースは2000円ほどだが、食事券がついてくる上に、序盤から最終レースまでいるとちょっと嬉しいことが起きて実質プラマイゼロになるらしい。

これは先程のおじさま情報。

ネットに載っていない機密事項を得られるなんて、我ながら持っているな、とニヤつきながら競艇場を後にする。

またレース開催にあわせて遊びに来よう。

競輪場も行ってみたいなあ。

父親が賭博好きで競馬場やパチスロに同行することが度々あるのだが、私的には、大好きな友川かずき氏が賭博好きだから行ってみようと思った次第。

いつかどこかでお見掛け出来たらいいなあ。

絶対話し掛けられないけど。

憧れが強すぎると、劇的にヒヨる、それがじゅんじゅんクオリティ。

はじめての競艇場、たくさんお勉強になりました。

水曜日は、偶然前日にInstagramで見つけたライブを観に、水道橋へ。

大学の同期で今をときめく中山晃子氏と、ピアノボーカルとドラムのユニット鮎牛蒡さんとのセッション。

神保町視聴室は初めて伺ったけれど、落ち着いた雰囲気がとても良かった。

横浜の野毛あたりにありそうな雰囲気。

神保町の歴史の染み込んだ感じが、あの辺りに似ていると感じさせるのかも。

郷愁を誘いますね。

中山晃子氏こと、もつは大学の絵画専攻で一緒だった。

80名を超える生徒の初めの自己紹介で、

「中山晃子です。もつって呼んでください。」

と平然と言い放ち、一同呆気に取られたのを覚えている。

「菅野初音といいます。がちゅって呼んでください。」

という人も居たので、なにかの雛形なのかと疑いもした。

そこのおふたり、本名、全然、掠っていないぞ。

当時からどこかふわふわとした自由人の空気を纏っていて、講評会と呼ばれる、自分の作品を皆の前で批評される場でも、臆することなく作品を出していた。

私からそう見えただけで、本当は緊張していたのかもしれないけれど。

私は、クラスのグループのようなものに属するのがとても苦手で、1年生のアトリエでは、いつもどこか居心地が悪かった。

別に誰と仲が悪いわけでもなかったが、なんともいえない雰囲気が苦手だった。

小学生からずっと、女の子グループやなかよしグループという派閥や徒党が、漠然と苦手なのである。

授業中作業着のつなぎのままフラフラと出て行って、野原で日向ぼっこをしながら蟻さんに語りかけたり、自由人というより問題児に近かったと思う。

テンペラ画という、油絵よりも昔の技法を習得する必修授業では、作業台が足りず早い者勝ちになっていた。

椅子取りゲームのようなそれに興味が無かったし、誰かを押しのけてまで、座って描きたいと思わなかった。

結局アトリエの端っこの床で描いていたが、掘っ建て小屋のような小汚いところだったため、私のテンペラ画は砂ぼこりにまみれ、見られたもんでは無かった。

その時明確に、絵、もういいや、と思った。

その後はサークルの部室に入り浸ったり、スキットルでウイスキーをカッ喰らっては、へらへらと不真面目な日々に倒錯。

一応バンドやソロライブは演っていたのでギリギリ表現者として弁明の余地はあるだろうと、自らの現状を心のどこかで把握してもいた。

「じゅんじゅんは、大学とか関係なく生きているひとだよね。私もそうだから、わかる。」

と、いつだったか突然もつに言われて、内心、いいえただ呑んだくれて好き放題やっているだけですと思ったけれど、その肯定味のある言葉が嬉しくて、ふへへへと笑って返した。


もつは在学当時から、Alive paintingと称したライブペイントをしている。

彼女のパフォーマンスは、描くというより、操るという方が正しいような気がする。

もっと言ってしまうと、空気や水とのセッションという感覚。

齟齬が見当たらないその動きや流れに、Aliveという言葉が本当にしっくりとくる。

この日、数年振りにもつのパフォーマンスを観て、これは神様の所業だとつよく感じた。

彼女なら、生命のスープからDNAを組み立ててしまえるような、そんな神々しさがあった。

オリンピック閉会式や、LiSAさんの新曲『明け星』のMVでのアートワークなど、華々し過ぎる躍進を続ける彼女。

今回のように、間近で観られる機会はそうないのでは。

さすがは私。

持ってるわ。

つなぎは腰についている蛇腹の生地が苦手で嫌とか、中華料理のメニューの高い料理だけフォントが違うのがつらいとかいう話を聞いて、彼女の感性の凄まじさを改めて感じた。

この人は、常人の何十倍もの情報を感知してしまうのだろう。

情報量が多過ぎるから、疲れている時には堪えるかもしれないねと返すと、そうかあ、とやんわり納得している様子だった。

ずっと真摯に続けてきた彼女を、正直直視できない気持ちの時もあった。

私はそこまで、自分の表現に誠としていられていた自負が無く、どこか引け目があったのだと思う。

でも今は、きちんと顔を見て話せるし、彼女の素晴らしさを全身全霊感じる喜びが、この胸にある。

私の表現の位が、すこし変化した証拠なのだろう。

素晴らしいアーティストと同じ時を生きている偶然に感謝して、私もたくさん邁進してゆこうと思った。

翌日は、15時から個人練習のスタジオへ。

前日の興奮が醒めやらず、思わず冷蔵庫の缶ビールを開けて呑みながら高円寺へと向かった。

たまには、明るいうちから呑んでもいいじゃない。

ほろ酔いで練習を終えて、お馴染みの立ち飲み屋さん、千木良屋へ。

ぺろんぺろんで初めてお会いしたおにいさんと仲良くなり、これから無善寺行くんですよー!!と言ったら、心配して送って下さった。

神の使いかな。

全然記憶がないんだけれど、盛大に転けたらしく、左の脛にどでかい擦り傷が出来ていました。

あはは。

この日は、れおなくんのレギュラー日だったのかな。

初めましての、れおなくん。

超可愛いおなごでした。

れおなくんなのか、れおなくんちゃん、なのかで困惑したけれど、ご本人がどちらでもいいですよー!と仰ってくれて、まだ愛称は考え中。

無善寺レギュラー勢は、本当に最先端であるのだなと改めて思いました。

そんな渦中にいさせて戴ける、この喜びよ。

ありまてえ。


まだまだたくさん過ごしているけれど、今日の回想は、ここまで。

みんな、しあわせに生きよう。

わたしたちは、生まれた瞬間に、可愛がられるために在る。