木を使ったみんなに優しい歩道(その2)
2021.12.17 08:33
検討研究会では、視覚障害者の方が安全に歩行できる屋外環境の実現を目指し、木製歩道の開発を進めてきました。九州大学ウエストゾーンに実装した『バリアフリー杉デッキ歩道』はウッドデッキ構造の歩道で、視覚障害者の方が路面を白杖で叩くと、アスファルト舗装の車道と大きく異なる音がします。この打音で、視覚障害者の皆さんが車道と歩道を明確に識別できる安全な歩道です。
今回、福岡県議会議員の皆さまが視察に来て下さいました。白杖を使い実際に体験し、とても感心下さり、早速12月議会の代表質問で取り上げて下さいました。当日の視察の様子は、機関紙の公明新聞(発行部数は全国で80万部)に掲載くださいました。
これまで木材は腐食が大きな課題でしたが、この舗装は新しい防腐処理技術を使用しています。九大農学部が研究開発したもので、耐用年数20~25年と防腐性能が大きく向上しました。維持管理コストを軽減できるため、公共空間での社会実装が期待できます。木製の舗装は振動が柔らかく車椅子ユーザーにも優しい舗装です。熱伝導率が低く夏場の路面温度上昇を抑えることも期待できますので、ベビーカーの赤ちゃんや子ども、さらには健常者にも優しいインクルーシブな歩道といえます。木材の活用は、大きくは森林保全、低炭素社会の実現にも寄与し、複数の目標でSDGsの達成に貢献できます。
公共空間で木を使うとメリットがたくさんあります。どんどん木を使っていきましょう。
公明新聞 2021年11月30日(転載許可を得ています)