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Dukhtar/娘よ

2017.07.22 16:48

映画「Dukhtar(娘よ)」を映画館で観ました。パキスタンの児童婚、強制結婚などをメインテーマにしたアフィア・ナサニエル監督の作品です。

オープニングから映像がとても綺麗でした。パキスタン北部の河を、主人公アッララキが紅白の衣装を身に纏ってボートで進む姿に、ミシュラ・ジャーティー(7連符)で刻むBGM。音楽が悠々とした川の流れや風景に調和していました。

児童婚や部族の紛争というシリアスな内容ですが、カーチェイスなどのスリルや緊張感、悲愴感だけではなく、ロードムービーで移り変わる背景、挿入歌、サミア・ムムターズの美貌と衣装、娘役を演じたサーレハ・アーレフの愛らしさ、華やかな古都ラーホールの賑やかな夕方など、緩急交えて描かれていました。映画を観て1日経って思い返すと、映像としては綺麗すぎて、逆に肝心なメッセージが弱まってしまうかもしれないなと感じるくらいです。

そんな視覚効果の強い描写が多い中、会話の中には、比喩的にメッセージが散りばめられています。主人公アッララキとトラック運転手のソハイルの長い2つのダイアログ。一つ目は、ソハイルが、アッララキに自分の生い立ちを話す場面。もう一つは、ソハイルがアッララキに2つの河の話をする場面です。それぞれのロマンティックな場面での会話ですが、映画のバックグラウンドや社会問題に関係しています。


アフィア監督は、パキスタンとアフガニスタンの国境に近いクエッタで生まれ、古都ラーホールの大学へ進学し、国際機関での勤務を経て、コロンビア大学大学院で映画制作を学んだそうです。コンピューター・サイエンティストから映画監督に転身し、コロンビア大学やニューヨーク大学で教鞭もとるNY在住の女性です。

主演は、インド舞踊を学んだ後、舞台やTVで女優として活躍してきたサミア・ムムターズ、同じくもともと舞台俳優として活動していたモヒブ・ミルザー、そしてウルドゥー語版セサミストリートやコカ・コーラなどのCMにも出演している子役サーレハ・アーレフ。(以上は、パンフレットによる情報。)

様々な社会問題が、さりげなく織り込まれている「Dukhtar」は、この夏、全国各地の映画館で上映されているようです。

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