Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

徒然なるままに。。。

ゼロから始める経営学 Vol.25

2017.07.23 10:16

第2章 国際化のための戦略と組織


1 国際化の戦略


(1)国際化の意味


・国際化は地理的展開を通じて成長をはかる、企業戦略の一種だが、成長を支える重要な戦略であるばかりか組織に対しても特有の問題を提起している。


・最も一般的には経営活動、あるいはその成果を外国に移動することを意味する。しかし国際化にはいろんな意味の語句がある。それは次の通りである。


・①母国中心国際化(インターナショナル)…母国を中心としてそこから他国へ出かけていって活動する。ヒト・モノ・カネ・アイデアは母国から持っていき、成果があれば母国が回収する。


・②世界化(グローバル)…これは国境をひとまず度外視し、国や地域の違いを無視あるいは軽視して、文字通り地球規模で経営の最適化をはかろうとするものである。


・③複数母国化(マルチドメスティックあるいはマルチナショナル)…これは国ごとあるいは地域ごとに物事を分けで考え、それぞれの国・地域の違いや独自性・自律性を重んじる戦略である。


・④多元的国際化(トランスナショナル)…これは「世界化戦略」と「複数母国化戦略」とのハイブリッドであり、中央集権と分権との同時追及といえる。次に実例を挙げて説明する。


2 多元的国際化―ABBの事例


(1)事業分野ごとに集中と分散の使い分け


・多元的国際化はもともとヨーロッパ系多国籍企業の間で現れてきた戦略であり、ABBは代表例である。


・ABB(アセア・ブラウン・ボベリ)…ヨーロッパの代表的重電メーカーである。特徴は特定事業分野ではワールドワイドで規模の経済を追求し、世界化戦略を推し進めるが、同時にまた、別のある事業分野では地域密着・地元密着で事業を営み、複数母国化戦略をとるところである。


・事業分野によって集中と分散を明確に使い分け、どちらか一方を最大限に強調することで中途半端に二兎を追う愚を避けようとしている。


・全社的情報システムの構築、活用に熱心で、例えば「統合基幹システム」(ERP)の先進ユーザーとして知られている。


・ABBは業績的には不安定なので現状では、必ずしも成功事例だというわけではない。


(2)国際化戦略の発展と推移


・国際化というのは個々の企業の置かれた環境状況や経営資源に依存して展開すべきものであり、唯一最善の国際化戦略というものは存在しないものである。


・多元的国際化はその意味で、国際化戦略の現状における到達点である。


(参考)経営学 入門(下)