STEP5 いよいよ今回あの人が登場!!うう~…ハサミが震える~ 友だちだもん 信頼してます!
いよいよ噂の「イブシ」が登場。連載第一回目の時に出た「バーカバーカうんこ!」の男の子が成長して帰ってきた。1回目の時はこの男の子がこれほどキャラクター性を持つとは思わなかったし、もしかしたら作者もそのつもりは無かったかもしれない。(何故なら1回目で出てきた時は、鼻をたらしただけの、これといって特徴の無い男の子だったからである)それが4回目にもう一度登場した時点では、同じシチュエーションでもかなり「人格」が感じられる描き方が成されている。子供の時点ですでにいじめっ子でゲラゲラ笑う彼は、高校生になってもあまり進歩していない。学校の違う2人は朝のデートがとても大切、この一瞬の時間にかけるチロの身支度たるや、相当の気合いの入り方である。それなのに、邪魔をしてくるこのイブシというキャラクター、何故か初回から憎めないのだ。このイブシというキャラは、少女漫画にしてはかなり特殊な作り方をされている。どちらかというと青年マンガに出てきそうな味付けなのだ。しかしハツカレを読み進むにつれ、作者が一番自由に描いているキャラはイブシかもしれないと思う。(その理由についてはまた後ほど)それはともかく、今回のときめきシーンは最後あたりのハシモトくんのセリフだと普通は思うだろうが、私的には違ったりする。注目すべきはイブシがチロを一目で見抜いたという事と、ほかの幼稚園の同級生は覚えていなかった事、そして勝手に勘違いした事を照れるハシモトくんとチロのラブラブモードの空気に、渇を入れるシーンの2つ前のコマである。(こまかい…。)こんな顔でも立派にこのラブラブ空気に対する嫉妬の現れだと思ったのだが、どうなのだろう。
それにしてもチロの「ぱっと出てこない」という感情には共感してしまう。よくいるんですよ、「僕のどこが好き?」と聞いてくる男が。それがもうラブなりたての頃に一番多かったりして、答えなきゃ悪いし何か考えるんだけど、どうも無理からひねり出した褒めのような気がしてしまうんだな。後で考え直してみて「おいおい、本当に彼のそんなとこをいいと思ってたのか?私は」と、問いただしたくなる。まあ、こう答えておけば喜ぶでしょう…と思いながら口にしているのが正直なところ。少女漫画では「あなたのこれこれこういうところが好き」「君のこういうところに恋をした」とはっきり言葉にするシーンをよく目にする。しかしそれもリアリティに欠ける感じがするし「どこが」とすんなり言えてしまうのも考えてみれば嘘くさい。とっさに言葉が出てこない、だけど好きなんだという気持ちが、現実の女の子の正直なところではなかろうか。そして、言葉にできない事に対して申し訳なく思うのだ。「まって、まって」と焦るチロの気持ちがとて分かると思ったのでした。ラストの「どこがと決めたくない」というのも、なんだかいいなあ。