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泉こども園

2021.01.18 18:00

保育で形を決める 園児数:90名


どろんこひろば

2つの保育室の間にある、田んぼの土を入れた園庭です。屋根や壁に仕掛けられたシャワーから、水が噴き出します。


いずみのひろば

天井を低く設定し、開放的な外部からの導入部として、おちつきを演出します。下駄箱も低めにつくり、視線を遮らないようにします。


ひかりのといれ

南面する貯水池に対して全面開口として、明るく開放的なトイレにしています。北向きの薄暗いトイレより、南向きの明るくあたたかなトイレは魅力的ですね。


おはじきワークショップ

園児たちによるワークショップで、玄関塀におはじきを貼りました。もちろん、設計図はありません。


保育で形を決める

茶色に塗られた中廊下の天井は高さ2,100。抱擁力のある暗めの通路が、明るく伸びやかな保育室群を繋ぎます。二重の防音サッシで区画されたいずみほーるで繰り広げられる100デシベルの演奏の向かいで、乳児がすやすやと眠っています。

限られた敷地にあって、動と静、高と低、明と暗、広と狭、積極的に場に役割を与え、多様な保育のシーンに適応し、子どもたちの様々な気持ちに寄り添うこと。園長とともに目指したのは、結局のところ、選択に応えることができる園舎でした。

ここで展開される泉の保育は、子どもたちそれぞれが決めた目標に向かって努力することに重きを置いています。子どもたちの生活の場の理想や目的を明確に決め、それが園舎を形作っていきます。決めるということは簡単なことではありませんが、保育の器を作るうえで、とても大切なことだと私は思います。


名称:社会福祉法人泉福祉会 泉こども園

工事種別:新築

建築場所:兵庫県加東市

延床面積:927.50㎡

構造規模:鉄骨造 一部鉄筋コンクリート造 平屋建

園児数:90名

園ホームページ:社会福祉法人泉福祉会 泉こども園

掲載:『近代建築』2021年8月号第75巻8号(特集 保育施設の計画と設計)