蓮舫辞任で起きる次の政局、総選挙への影響
【政治考察】 平成二十九年七月二十七日に民進・蓮舫(丁未)代表が定例記者会見で辞任を表明した。判断は前日だった。一年もたなかった。蓮舫下での人事部刷新でなく、新代表による新執行部をもって来る総選挙にあたるという判断だ。だが解党論も党内から出ており、民進自体が存続するか否かは不明瞭だ。第三安倍政権.弐の支持率が最低になる中、政局は如何に動くか。模索する。
会見で蓮舫は幾度も、強さや強いの言葉を多用した。「前に進む、これが強さだと思っていましたが一度止まる。止まって自分の弱さを知る。」と振り返り、今後は選択肢となる政党を目指す為に「汗をかきたい。もっと勉強する、もっと努力をする。その時間を大切にしたい。」と磨きを掛ける意向だ。そして笑みがいつもよりも多かった。ある意味で清々しい表情であった。「代表は最期、後ろに誰もいない。孤独な立場を物凄く痛感しました。」とも述べていた。ただ自身が代表を一年程度務めた結果、「バラバラ感が減ったと思います。(民進党が)熟成してきていると思います。」と話した。
<新代表は誰に>
これから民進は代表選(時期未定)を行う。空白の時間を避けるには、早めに代表選を行わないといけない。朝日新聞は後任を前原誠司(壬寅、写真上)衆議や枝野幸男(甲辰、写真下)衆議らが軸になる可能性が高いと記した。一つのポイントは国政選挙における野党共闘だ。特に共産との候補を一本化できるか否か。蓮舫民進は共産との連携に距離を置き、最低限で共闘してきた。
十月には二補選ある。衆院青森四区と衆院愛媛四区。自民を離党した豊田真由子(甲寅)衆議が辞職した場合は、衆院埼玉四区が加わりトリプル補選となる。民進の新代表として初の国政選挙となるので、立候補には余程の気概がいる。何分、支持率は一桁だ。
注目は旧維新の党(江田・松野)グループだ。蓮舫下ろしを公的に発言しており、民進と一緒になる時も松野頼久(庚子)衆議は「発展的解党。」と実行に移した。代表選前後で如何様に動くのか。三十日投開票の「横浜市長選」で江田憲司(丙申、写真上)派の伊藤大貴(丁巳)が自公推薦の現職に勝てば、一つ発言力が変わる。報道現在で共産の応援を伊藤は積極的に受け入れている。
悩ましい自民
一方の自民は、蓮舫民進であれば総選挙でも勝てる見込みが高かったが、今回の辞任により様子を見なければならなくなった。万一、共産との共闘に積極的な江田・松野Gの誰かが代表になるか、新執行部でリードを獲れれば、自民にとって厳しい総選挙となる。八月三日に予定されている内閣改造後の支持率と併せて気になる所であろう。
更に安倍晋三(甲午、写真上)総理大臣は「小池さんは上手だ。敵に回してはいけない。」と一週間前に話している。自民にとっては、小池百合子(壬辰、写真下)都知事の国政新党の結成も警戒しなければならない。そして連立を組む公明が離反しないか否か。公明が離反し百合子新党と組めば、総選挙の一人区で大敗を喫する予測も出ている。結果は先の都議選の通り。
今回の蓮舫辞任は、来る総選挙に大きなインパクトを与える種と成り得る。
記事:金剛正臣×撮影:岡本早百合