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空想都市一番街

青い悪夢③

2021.12.21 02:14

セナとユイちゃんは、お互いの家で(と言ってもセナの家が汚すぎるのでほとんどユイちゃんち)

一緒に幸せな時間を過ごした。


ユイちゃんのご飯は美味しいし、一緒に飲むお茶は美味しかった。


だけど何故か日に日にユイちゃんは、元気が無くやつれていくのだった。



ある日、元気がないユイちゃんをセナは街に連れて行った。


「ユイちゃん、たまには外食もいいよね。ハンバーガーだけど!」


「ふふ、そうだね。ありがとセナくん。私のこと元気付けてくれようとしてくれてるんだよね。」


ユイちゃんのやつれてしまった笑顔にセナは胸が痛んだ。


「私ね…お父さんが死んでから、お父さんの借金、返してるの。

自分に返せる額ずつにしてもらって。今のバイトでうまくやってるから、大丈夫なんだけどね。

最初はちょっとびっくりして、落ち込んでたけど。でももう平気だから。心配かけてごめんね」


ユイちゃんは出会ってから初めて打ち明けた。


「そんな…どうにかならないの?俺も一緒に返すよ!!」


「大丈夫だよ。ちゃんとやっていけるから。無理してないよ。

それにセナくんだって学費と生活費稼ぐの大変でしょ。」


ユイちゃんは微笑んでセナの手を取った。


「一緒にいてくれるだけでいいんだよ。こんな話、重かったかな」


「重くないよ!俺、ずっと一緒にいるから。ユイちゃんのこと守るから」


「ありがとうセナくん。」


帰り道、ユイちゃんはセナの腕に腕を絡めて、肩に頭を預けた。


「セナくんの腕、安心する。セナくんに会えてよかった」


セナは愛しさが込み上げて、そっとユイちゃんの頭に頬擦りした。


この先もユイちゃんを支えて守っていきたい。そう強く思ったのだった。




「なるほどね。君の幸せだった記憶、見せてもらったよ。」


アオはゆっくり息を吐いた。


「人間はか弱くて健気だ。短い人生で悲しいこともたくさん訪れる」


アオは立ち上がった。


「…またあの子に怒られちゃうからな。この先を見るのは少し気が重いけど、もう少し君の記憶見せてもらうよ。」