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Proshopfishing's Blog

MC Works' DUAL EDGE 614LR

2015.11.01 15:36

キャスティングゲームは遊漁船のレベルアップとともに、ポイント決め打ち的要素が強まり、チャンスを捉えた精度の高いアプローチの釣りとなってきている。反してジギングは、戦略的推定要素が大前提にあっても、見えないコンタクトタイミングに向かってひたすらジグ操作を繰り返さざるを得ない釣りである。

近海ジギングで重要な要素を戦略から戦術に向かって列記すれば概ね下記のような序列になると言っていい。

 1.いい条件下で海に出ること。

 2.ベストの釣り座で釣ること。

 3.反応を三次元でイメージして、有効な反応にタイムリーにジグを入れること。

 4.その日釣れるアクションで食わせやすいジグを適正に操作すること。

 5.掛かった魚は素早く取り込み、絶対にバラさない事。

 6.時合中は無駄なタイムロスしないこと。

こう書いておかしいと思った方は素晴らしい。この中には操作し続けることという項目がないことに気づいておられるからだ。なぜならこれらの要素を完璧に把握できるなら、釣れる条件の時だけジギングすれればいいからだ。

しかし現実は、いずれも不確実な状況判断の中でジギングしている場合が大半である。そこで「.操作し続けること」が、重用要素のトップに来るのである。このことを誤解なきようお願いしたい。

 操作し続けられるロッドであるとはどういうことか。まずは絶対的に軽い、あるいは軽い操作性を持っていること。次にジグを自然に動かしやすく、無駄な動きをジグに与えないロッドであること。これでコンタクトが増えるとともに余計な動きをジグに与えたが為の、無駄な体力をセーブできる。ロッドを強く曲げて、ロッドの強さを確かめるアングラーや、その強さを売りにするロッドコンストラクターやテスターを見かけるが、ファイトのしやすさは、掛けてナンボのプレッシャーだらけの近海ジギングの中では、優先順位は首位ではない。まして、ロッドを立ててファイトすることに拘りすぎる必要性もさほどない。ジギングロッドにとってティップ~ベリーの調子とそれに対応する長さとバランスこそが最重要である。

我々は、長年近海ジギングと関わってきて嫌というほどその現実を見てきた。その課程で、ロッドに求める要素がはっきりしてきた。つまり「操作し続けられること」「喰わせのアクションが出しやすいこと」この2点が最も重要なのだ。海外や、それに準ずる様な好条件で釣りができる人たちには、ファイティングアビリティが何より筆頭に来るだろうが、近海の熾烈な乗合船は全く異なった条件の釣りである。

我々は、その考えに従ってEVOLUTIONとREAL FUSIONを開発し、特にREAL FUSIONでは、省エネに結果を出すためのスタイルとして、ロウレスポンスジギングを世に問うた。それから、早5年。

 ロウレスポンスイズムは極めるほどに細く、靱やかにロッドを進化させ、ターゲットとのコンタクトチャンスを拡大してきた。半面、ロッドパワーに依存するファイティングバリューは漸減し、大型魚とはドラグに依存するファイトを習得する必要性も生じてきた。一方を極端に先鋭化すると、一方のパラメーターが低下してゆくのはある程度避けられない。それは工業製品の現実である。しかし、リールドラグ依存の高いファイトは熟練しないとターゲットに反撃のチャンスを与えたえり、船縁での誘導が効かなかったりする。

ビギナーが1パワーのREAL FISIONで10kgオーバーのヒラマサと渡り合うのは現実的には至難である。先鋭化したロッドは熟練者にとっては、最高の刀(ヤイバ)となるが、扱いきれない場合は刃こぼれして用をなさないカミソリでしかない。

DUAL EDGEの構想は、弊社カタログにて”開発コンセプト”として経緯を書いているのでくどくど述べないが、端的に言えばロッドを立ててファイトできるローレスポンスモデルということだ。勿論REAL FUSIONの3パワーモデル以上であればロッドを立てたファイトも可能になってくるが、1-2パワーほどの恐ろしいくらいの操作感や、潮の変化さえもしっかり掴む鋭敏なティップセクションの感度は低減してくる。

これに対してDUAL EDGEは3パワーでREAL FUSOINの2パワー相当のティップを与えつつバットセクシヨンには4パワー相当、最終限界はそれ以上の対ドラグ耐力を持たせている。設計上、有り得ないこの特性は従来設計では使い物にならない重たいロッドになるか、バットセクションが立ち上がりすぎたロッドになる。その奇怪な曲がりのロッドは限界が低く、折損リスクが大きい。

 先にロッドを立てたファイトはさほど重要ではないと書いたが、ターゲットが想定を超えたもので、アングラーがドラグ依存に不慣れな場合は、それは有効な特性となる。このロッド開発において誤解頂きたくないのは、ハイドラグの立てファイト向きのジギングロッドを作ることではないということである。REAL FUSIONの2パワー相当の超低反発ティップをもたせながら、ハイドラグでのロッドを立てたファイトをも可能にするということである。強いだけのロッドなら設計に苦労はいらない。

長いテストと相当な実釣データをベースに完成した製品バージョンのDUAL EDGEは完璧と言って良い出来栄えである。

そのカーボン構成に関しては、公表できない部分があるのでご説明は省かせていただくが、あくまでナチュラルなベンディグを維持しつつ高いドラグ値に対抗してゆく特性を持っている。秀逸なのはその軽さ。とりわけ持ち重り感のなさである。ウェイトマスがバットエンドからリールシート周辺に集中しているため実質のウエイト以上に軽く、低モーメントに感じられるロッドとなっていることである。そしてグリップは極力曲がりこまないように設計している。グリップが大きく曲がると心理的にリフトし難くなることが理由だが、リールシートの接着剥離を防止する副次効果もある。

後は、実釣でご使用いただき、存分にハイドラグファイトを堪能していただくだけである。


Length6'1" Line PE#3-5 Jig max 300g(LR Jerking) Drag max 9kg

遠征釣行でもこなせる、ハイドラグスペックながら、近海のライトジギング的な操作性を持つクラスレスジグロッド。使い手の力量を勘案してもこれ一本でハマチから大カンパチまで対応可能。

Titan K-guide spec.

T-KWSG30.20.12.10.10.T-M