いざ岩と氷雪の世界へ!フッカーバレートラックHooker Valley Track
NZのトレッキングを語るうえでは、まずは行くべき人気ナンバー1ルート、それがHooker Valley Track フッカーバレートラックです。
岩と氷雪に囲まれた、まさしくニュージーランドとは?とのイメージにピッタリな光景を見ることができます。
自分の足で歩いて手付かずの大自然を満喫する、それがニュージーランドでのトレッキングの醍醐味です。
所要は往復でも4時間程度。
途中でちょくちょく休憩をはさみ、フッカー氷河でゆっくりお昼ご飯やおやつを食べても5~6時間程度ですね。
標高は約900m、トラックの標高差70~80m。
基本的には平たんでよく整備された道ですので、初級者でも歩くことができます。
この周辺のトレッキングコースの多くのスタート地点は、ホワイト・ホース・ヒルのキャンプ場、駐車場となります。
アオラキ・マウントクック・ビレッジからも、結局はホワイト・ホース・ヒルへ出なくてはいけませんので、必要であればバスなどを手配した方がいいですね。
タクシーはありません。
今回は私の場合は車がありましたので、直接駐車場へ。
トイレと水場が整備されたキャンプ場ともあって、スタートの準備をするにはもってこいの場所。
この日は土曜日ともあって、多くの人が訪れていたので、少々駐車スペースを探すのに手こずりましたが、広いので超多忙期でない限りは停められる思います。
各ルートを記した道標があるので、目的のルートを見失う事は無いと思いますが、多くの人が様々なルートに向かって歩いているので、惑わされないように注意が必要ですね。
基本的には砂利道で、途中に木道。
勢いよく流れるフッカー川を渡る3本の吊り橋があります。
いざ、氷河への道へ!
背の高い木があるのは最初だけで、河原、草原と変化にとんだ地形を歩いていきます。
ただやはり、整備されているとは言え、岩や泥が目立つ場所もあるので、運動靴、ベストは登山靴との印象を受けました。
最初に到着するのはミューラー湖。
ここから見れるのはミューラー氷河のモレーンという、末端部です。
積み重ねられた氷河が最後に行きつく場所。
ここでも耳をすませば「ゴロゴロぉ・・・」と雷の様な音が聞こえてきます。
実はこの先、たまに雷の様な音が聞こえるのですが、これは氷河が崩れる音。
これだけ万年雪が積み重なっているのです。
天気が良く気温が上がってくれば、氷河が崩れる音を聞くチャンスが増えます。
実際にこの日はいい天気だったので、何度か音を聞くことができました。
ただ、音が聞こえているだけで、実際に崩れている現場を見ることはできませんでした。
後日談ですが、見ることは相当珍しい事だそうです。
これだけの渓谷ですので、遠くで起きたものでも聞こえてしまうので、音が聞こえるからと言ってみることができるとは限らないそうです。
その雄姿が・・・
ミューラー湖を超え、吊り橋を渡ると木道に入ります。
このあたりから天気が良ければマウントクックの姿を見ることができるのです!
感動の瞬間!!
そう。
マウントクックを見るには、必ずどれかのトレッキングコースを歩かないと見る事すらも許されないのです。
特にこの日は、年に2,3回あるかどうかの大晴天に恵まれました。
マウントクックを眺めながら歩くのは最高に気持ちがいいのです。
加えて氷河音が聞こえるのですから・・・
ニュージーランドを満喫できている自分に、贅沢感を感じる瞬間でした。
危険も?思わぬ光が難敵
ただし!!
天気がいいからと浮かれっぱなしというわけにはいかないのが、ニュージーランドの特徴でもあるのです。
害虫も猛獣も危険な生き物はいません。
しかし、空から降り注ぐ「紫外線」は日本とは比べ物にならないほど強烈です。
その量は日本の7倍。
WHOが示すUVインデックスでは、「なるべく外出しない事」に当てはまる「11-13+」が当たり前の環境です。
オゾンホールの影響を強く受けるニュージーランドでは、紫外線への対策は怠らないようにしましょう。
特に標高も上がっている山岳エリアでは、余計に気にするようにした方がいいですね。
日焼け止めは、汗をかけばすぐに塗り直す。
サングラスは、しっかりとUVカット効果があるものを。
帽子もしっかりと被る。
実際に中国人だと思われる観光客はサングラスも帽子も持っておらず、みんな目をシパシパさせていました。
他にもずっと眉間にしわを寄せてまぶしそうにしている人も何人か。
「日焼け」なんて概念はないと思って、しっかりと日焼け対策をしてニュージーランドの自然を楽しむようにしてくださいね。
そうやって歩みを進める事約2時間。
目的地のフッカー湖へと到着です。
氷河とマウントクック
ここでは崩れた氷河が間近で見られるのと同時に、マウントクックをド正面に見ることができます。
運が良ければ崩れた氷河が湖畔にたどり着いていて、触る事もできるかもしれません。
道はさらに氷河上方へと続いているのですが、整備のされていない落石注意の道となるので、基本的には行かないようにしましょう。
私も少し踏み入れたのですが、急にレベルが上がったので引き返しました。
帰りは来た道を帰ります。
行きには寄らなかったのですが、途中にこのアオラキ・マウントクック国立公園を長年開拓してきた先人たちの記念碑が立っています。
彼らの人生をかけた開拓と、それを今に引き継ぐ人たちの努力の結晶です。
感謝の気持ちを伝えに寄ってみてはいかがでしょうか?
今回のニュージーランド旅、2つ目の目的「トレッキングを満喫する」の一本目、フッカーバレートラック。
岩場に草原、川、吊り橋まで楽しめる、贅沢なルートでした。