高橋名人似で爆発しない方の鈴木さんを国民的アイドルにしてみた1
1996年に発売されたゲームなのに、すでに「国民的アイドル」を目指すという言葉のチョイスが素晴らしかったゲームがありました。
すずきさんを「国民的アイドル」にするべく1年間の活動をフォローしていきます。
『あいどるプロモーション~すずきゆみえ』(Amazon)
プレステの初期の時代を過ごした方は皆、このゲームの存在くらいは知っているとは思いますが、「すずきゆみえ」さんがどんな人物なのか、実在する人物なのかはよくわからないと思います。
ボクはというと、当時からこのゲームを知ってはいましたけど、この「すずきゆみえ」さんが本物のアイドルなのか、ゲーム会社の用意したほかの誰かなのか、その真意がよくわからなかったのですが、一つだけ思っていたことがありました。
この子って、「高橋名人」に似ていない??
以前プレイした時から笑ったときの表情の「高橋名人」感が気になって仕方がなかったのですが、そもそもこの人がどんな人なのか、ネットで検索してもあんまり情報が出てきません。
ゲームをプレイすると、最初にこんな基本情報は出てきますが……
名前 鈴木優美恵
生年月日 昭和52年2月10日
血液型 B型
趣味 パッチワーク、読書
芸名は・・・・本名をひらがなで書いて「すずきゆみえ」に決定。
あまりにも捻りがないので、これはこれで本当の情報っぽいのですが、さてこれ以上の情報を掘り下げることができるか悩んでいたところ、「灯台下暗し」。
パッケージを開くとCD-ROMが2枚あり、1枚は当然ながらゲーム本編をプレイするためのディスクなのですが、もう1つ、あまり起動した記憶がないCD-ROMがありました。
この2枚目のCD-ROMは「おまけディスク」。
遊園地的なマップにカーソルを移動するとアトラクションに扮した諸々のコーナーを体験できるようになっています。
用意されている内容は、「スナップ写真館」「ムービーシアター」「お部屋拝見」「ペットコーナー」「ボディチェック」「インフォメーション」「もんだい」「もんだい」「もんだい」「ヒント」「ヒント」「ヒント」……。
「お部屋拝見」は「すずきゆみえ」さんのお部屋を拝見できるというとても背徳的なモノをイメージするのですが、なぜか「普通」「パステル風」「和風」「ホラー風」の4パターンのお部屋を3Dで体験できます。
いやいや、これって「すずきゆみえ」さんの部屋じゃなくて、単に開発者が3Dの実験をしたかっただけでしょ。
誰が女の子の部屋に「ホラー風」を望むのですか。
「スナップ写真」には、当時のアレな画質ではあるモノの、大量の写真を収録。
「History」には、「すずきゆみえ」の赤ちゃんの頃からデビュー前までの大量の写真が収録されていて、まだ何も知らない「すずきゆみえ」という人物の歴史を垣間見ることができます。
というか、写真には両親やおばあさんが登場し、生まれたころの写真にはすでにお兄さんがいて、成長する中で弟ができ、弟ができ、さらに妹ができ……って意外と兄弟が多いことだけはわかりました。
「History」の写真は1ページあたり2~4枚の掲載で、全部で47ページもあるんですよ。
この46でも48でもない、間を狙ったページ数も「国民的アイドル」を狙った上のことだったのでしょうか。
「スナップ写真館」には、それ以外にもこのゲームのメイキングとなる「Making」、いろんな表情の「百面相」、このゲームで使用されている「すずきゆみえ」さんがいろいろなコスプレをした「コスプレ」と、大量の写真が収録されています。
画質は本当にアレですけど。
それにしても、まだ実在も何もわからない時点で、その女子の七五三やら運動会やら過去の歴史をこれだけたくさん見れてしまうのは画期的な内容。
今やっていることがデジタルなゲームをプレイしているから大丈夫なのですが、これが廃墟の中で見た薄汚れたアルバムだったりしたら、行方不明の人物を探しているうちに闇へと閉ざされていく人々を描いたホラー映画が始まりそうな雰囲気。
いや、「ホラー風」にまだ引っ張られていますけ、それはどうでもよくて……。
とりあえず、「すずきゆみえ」さんが実在していたことは何となくわかってきました。
次回はもう少しCD-ROMを見ていこうと思います。
最近発売された本でも今作の紹介部分を担当したので、書店で見つけた方は是非チェックしてみてください。
『懐かしのプレイステーションコンプリートブック 語ろう! 僕たちの初代プレステ (メディアックスMOOK)』(Amazon)