Campbellの因果推論 -外的妥当性-
目次
1. はじめに
2. 外的妥当性
3. 外的妥当性に与える脅威
4. おわりに
#心理学 #社会科学 #会計学 #因果推論
1. はじめに
心理学(やたまに社会科学)では、RubinやPearlの因果推論と並んで、Campbellの因果推論が取り上げられる。このブログでは外的妥当性(External Validity)とそれに与える脅威を検討する。主な参考文献は以下の2章・3章の抄訳でござる。
2. 外的妥当性
クックとキャンベルにおいて構成概念妥当性とは、「因果効果の関係が個人、設定、処置の種類及び測定変数の種類を超えて維持されるかどうかの推定の妥当性」をさす。
3. 外的妥当性に与える脅威
外的妥当性に脅威を与えるものとして以下を述べている。
(1) 構成単位との因果関係の相互作用(Interaction of the Causal Relationship with Units):他の種類の単位(units)が調査された際、特定の種類の単位で見つかった効果が保持されないかもしれない。
(2) 処置の違いを超える因果関係の相互作用(Interaction of the Causal Relationship over Treatment Variations): 一つの処理の変化で見つかった効果が他の処理の変化で保持されないかもしれない。他の処置と結合された処置の場合や部分的な処理のみが使われた場合がある。
(3) アウトカムとの因果関係の相互作用(Interaction of the Causal Relationship with Outcomes): ある種類のアウトカムの観察によって見つかった効果が、利用された他の観察では維持されないかもしれない。
(4) 設定と因果関係の相互作用(Interaction of the Causal Relationship with Settings):ある種類の設定において見つかった効果は、利用された他の種類の設定では維持されないかもしれない。
(5) コンテクストに依存した媒介(Context-Dependent Mediation): あるコンテクストにおける因果関係の説明的な媒介変数は、他のコンテクストにおいて媒介変数ではないかもしれない。
4. おわりに
このブログでは外的妥当性とそれに与える脅威を検討した。次のブログでは、中範囲の理論との関係を取り上げたいな。