「時制」の理解が進むと、英文法は飛躍する②
前回は単純現在(現在形)について話しました!
今日は現在進行形と未来形について話します。
◎ 現在進行形の基本的イメージは「中間地点」
現在進行形にも大きく分けて4つの方法があります。
① 現在進行中の動作
② 普段とは異なる状況
③ 状況の変化
④ 個人の予定
さらに精密に細分化していくこともできますが、物事を覚え込むときには多くても5項目ぐらいまでに整理して要約したほうがうまくいきます。
現在進行形の基本的なイメージは
「今をはさんでちょっと前に何かが始まって、まだ終わっていない」
という状況です。
たとえば、上司に電話したところ、次の返事がありました。
I'm interviewing a job candidate now.
I will call you back later.
(採用面接中だから、あとで折り返し電話するよ)
これは①の意味の現在進行形ですが、電話の相手である上司が
「面接官として採用面接の開始時点と終了時点の中間地点にいる」
ということを意味しています。
本来なら電話に出て返事する場面でないのに、わざわざ電話を取って返事してくれたことがわかります。面接相手に対して、すまなそうにしながら電話を切る状況が容易に想像できますね。ちなみに、"I will call you back later."は、あとで電話すると「その場」で決めていることがわかります。
◎ 「will」で表現できない「未来」がある
一方で、上司に来週の月曜日の予定を尋ねたところ、次のような返事があったとします。
I am interviewing a job candidate next Monday afternoon.
(来週の月曜の午後は採用面接中なんだ)
この場合は④の意味の現在進行形。つまり、過去のある時点で、採用面接の予定を入れたことを示しています。「今面接の最中ではないけれども、月曜午後には確実にそうなる」という感覚を示しています。
スケジュール帳に、「採用面接」と書いてある状況を思い出すとわかりやすいかもしれません。もう約束して「準備してある」ことなので、「will」はふさわしくない。「will」の方は「その場で決めた未来」を表す時に使います。
◎ 「will」=「be going to」ではない
現在進行形を用いた未来の表現は、ネイティブの間ではかなり一般的に使われています。ところが日本の学校では、しっかり教えているとは言えません(知らない人が多いです)。
一方で、学校英語でも教えてくれる「be going to~」ですが、これは実際のところ現在進行形の「~ing」に不定詞がついているだけと理解すると、このような形になっているのが腑に落ちると思います。「確実に~する運び」という意味を込めた「going」なのです。
ところが、多くの日本人は「willとbe going to~はほとんど同じで、どちらも未来を表す表現」というきわめていい加減な教え方をされています。これは深刻な問題ですね。
なお、「いつもと違う状況」を表すときにも、下記のように現在進行形を使います(②の意味の現在進行形)
Kathy usually wears a pink hat, but she is wearing a blue one today.
(キャシーは普段はピンクの帽子をかぶっているが、今日はブルーをかぶっている)
長くなりましたが、少しでも時制の大切さを理解できましたでしょうか?
これを機にもう一度時制を見つめ直して欲しいですね。