横浜市の水道水はどこから?
こんにちは。はまみらいプロジェクトの栗山です。
冒頭にあるのは、神奈川県足柄上郡にある丹沢湖で11月の初旬に撮った写真です。
今回は、この美しい丹沢湖をスタートとし、各水道局に水道用水を供給するまでを中心として、横浜市まで続く水の流れをご紹介します。
1.丹沢湖とは
春には桜、秋には紅葉、天気の良い日には富士山がよく見えるなど、四季折々の自然を楽しめる丹沢湖は、横浜市に住む方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
丹沢湖は、1978年の三保ダムの建設によって出現した人造湖です。三保ダムは、昭和40年に入りさらに急増した水需要に対応するため、水道用水や発電用水の確保、洪水調節を行うことを目的に、酒匂川総合開発事業の基幹施設として作られました。
(参考:神奈川県HP「三保ダム」)
2.神奈川県内広域水道企業団について
ここで、「神奈川県内広域水道企業団」についてご紹介します。
普段の生活で利用する水道水を供給している事業というと、まず水道局が頭に浮かぶことが多いと思われますが、浄水処理をした水道用水を水道局に供給する事業を「水道用水供給事業」と言います。神奈川県では、水道用水の広域的有効利用を図ることや、重複投資を避け効率的な施設の配置と管理を行うことを目的に、横浜市、川崎市、横須賀市と共同で水道用水供給事業を行っています。それが「神奈川県内広域水道企業団」です。
神奈川県内広域水道企業団では、丹沢湖・三保ダムのある酒匂川と、宮ケ瀬ダムや城山ダムのある相模川から取水し、浄水処理を行っています。
浄水処理が行われた後に、水道用水が各水道局に供給され、水道水が私たちのもとに届きます。
(出典:神奈川県内広域水道企業団HP)
3.環境に配慮した事業運営
最後に、神奈川県内広域水道企業団が取り組んでいる、環境に配慮した事業運営をご紹介します。
まず初めに、クリーンエネルギーを用いた発電事業です。起伏に富んだ地形を生かし、調整池から調整池へ水を送る際の高低差を利用した小水力発電設備の導入の他、ろ過池や沈殿池を覆う屋根の上に太陽光パネルを設置し、太陽光発電を行っています。
次に、環境保全のための取り組みです。取水施設の敷地内にはビオトープを保有し、河川流域に生息する動植物の生育環境を復元することにより、環境保全に努めています。
(参考:神奈川県内広域水道企業団HP)
4.さいごに
今では蛇口をひねると当たり前に手に入る水道水ですが、その水道水が辿ってきた道筋は、様々な行程を経た長い旅のようなものです。
丹沢湖に訪れる際には、丹沢湖から家の蛇口までを繋ぐ水の流れを思い浮かべてみるのも面白いかもしれません。
都市科学部 環境リスク共生学科 栗山尚子