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KYOSHO RC BLOG

LE MANS 240S ESCを分解してみました!

2017.08.09 04:00

皆さん、こんにちは。RC開発担当の古屋です。

毎週水曜日はRCカーの話題をお届け致します。


今回はビンテージシリーズに最適なル・マン240S ESC(電子・スピード・コントローラー)を2回に分けてご紹介したいと思います。

まずESCのフォルムですが、240Sブラシレスモーター同様にこだわりのぴかぴかのニッケルメッキです。当時のオプティマは巻線抵抗のスピードコントローラーがキットに付属しており、KYOSHOからESCは発売されておりませんでしたが、ぴかぴかのニッケルメッキが施されたKOさんのRM-7というアンプが一世を風靡した時代ですので、RM-7をモチーフさせて頂いております(KOさんに一礼・・・)。

240Sというネーミングに関しましてESCは復刻ではないのですが、新240Sシリーズにがブラシレスに進化したために、初めてブラシレスモーターにトライする方に何を買い揃えていいのかわかりやすくするためにシリーズ化致しました。

このESCは最大で13.5Tモーターまで対応しています。つまり、ルマンシリーズではルマンゴールド21.5T、17.5T、13.5T、ルマン240S 19.5T、15.5Tが使えます。



使用するうえでブラシモーターとブラシレスモーターの違いは、ブラシモーターはプラス(赤)とマイナス(黒)を繋げるだけで回転しましたが、ブラシレスモーターはA、B、Cの3つの端子を繋ぎ、さらにESCとモーターをセンサーケーブルで繋ぐ必要があります。



モーターのA、B、C端子です。




ESCのA、B、C端子です。

ESCのA端子とモーターのA端子を繋ぎます、同様にB端子同士、C端子同士をそれぞれ繋ぎます。




センサーケーブルです。

センサーケーブルは長さの種類が有ります。


センサーケーブルの長さ(目安)

TF-7 / EP FAZER / PLAZMA F1  100mm

PLAZMA Lm・Ra / Gambado R246  150mm

OPTIMA / TOMAHAWK  170mm

SCORPION / BEETLE  190mm

※ESCの搭載位置により変わります。




ESCにセンサーケーブルを繋ぎます。




モーターにセンサーケーブルを繋ぎます。

これでESCとモーターの接続は完了です。




ケースにはレーザー彫刻によりLE MANS 240Sのロゴが刻まれています。




240Sモーターと色を合わせたラベルも付属しています。




こんな感じに仕上がりますので、お好みで貼ってください。



ケースは触れないほど発熱することはないと思いますが、万が一内部でオーバーヒートが起きた時の保護回路としてヒートプロテクターを内蔵しています。一定の温度に到達すると、すべての供給をストップし、十分に冷めるまで停止します。冷めると自動復帰します。

ESCは基本的に分解してしまうとかえって故障の原因となりやすく、また保証の対象外になってしまいます。今回はいい機会ですので特別に内部をばらして、内部構造がどのようになっているのかご説明したいと思います。くれぐれもご自信で分解されませんよう、お願い致します。



ルマン240S ESCのケースはアルミダイキャスト製です。少々重みは有りますが、何より丈夫で放熱性に優れています。さらに、このESCの特徴は底面がヒートシンク形状になっており、ケースの下側に熱を逃がす設計がされています。下面にはM3のネジ穴が2箇所設けられています。ESCをシャシーにビス止めで固定することも可能です。ピッチ(穴間隔)は26mmです。ネジ穴の深さは約4mmです。




ケースを開けてみました。基板は2層式です。


上下の基板はパッドと呼ばれる細くて小さい端子が工場ではクリーム半田により接合しておりますので、一度外してしまいますと元には戻せません。この撮影でばらした基板もパッドを外してしまいましたので、もう元には戻せません。(涙)



基板下側の表面をご覧下さい。6個のFETとキャパシタが装備されています。キャパシタをケース内部に納めているため、配線もすっきりです。



続いて裏面をご覧下さい。こちらにもFETが6個装備されています。この合計12個のFETが動力用に使われております。A、B、Cそれぞれバッテリーの+、-に繋ぐ用に各2個ずつで、合計12個を使用する贅沢な設計です。

電流を稼ぐ銅板は大電流が流れる部分の通電ロスを最小限に抑える働きをしています(高速道路みたいな役割です)。



下側の基板のFETは熱電動シートを通じて下向きのFETは下面のケースに熱を逃がし、上向きのFETは真上のアルミ板に熱を逃がす構造になっています。効率良く熱を逃がしているので、クーリングファンも不要です。




基板(上)をご覧下さい。中央にCPUを配置し、LEDとセンサーケーブルスロットはケースの上面に覗かせています。インダクタは昇圧回路の一部で、バッテリーより高い電圧をここで作り、FETドライバがこの高電圧を使ってCPUが出す信号の電圧レベルを変換しています。




基板(上)の裏には、さらに3個のFETが付いています。しかし、このFETはCPUが出す信号の電圧レベルを変換するために使用しています。BEC電源は基板の表、裏に2個配置され、受信機に6V電源を供給しています。


ちょっとマニアックすぎる話になってしまいましたが、ESCはくれぐれもご自身で分解されませんよう重ねてお願い致します。


次回はLE MANS 240S ESCのセットアップについてレポートしたいと思います。

お楽しみにしてください。



追伸:藤原様、記事を書くうえでいろいろとアドバイスを頂戴し、ありがとうございました。