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Toward the Way of Tea

老古錐

2017.08.12 04:51

古錐とは先が丸くなった錐のことで、経験豊かな老僧のことを老古錐という。


「老僧には、若い修行僧が持つような鋭さこそありませんが、そのかわり何ともいえない枯れきった味があります」

有馬頼底の『必携茶席の禅語ハンドブック(山里出版)』


「枯れきった味」という褒め言葉をいつか私も持てたらいいと思う。花が枯れるのを見て悲しくなったり、あーあ、終わったなとぽいと捨ててしまうことはよくある。しかし、その境地に至ったのだな、命を全うしたのだなと思ってみると、枯れた花に将来の自分の姿が見えてくる。


枯れてこそ得られるものがあって、枯れを恐れたり避けるようでは自分の道を歩んでいないことになる。とはいえ枯れきるのはそう簡単なことではない。枯れただけではまだまだ。また、老古錐だけが見ることができる世界や境地を「閑古錐(かんこすい)」という。


写真:さかい待庵 利晶の杜ポストカード(部分)