2016年 SEEDS Conference 登壇者の皆様
2016年 Speakers
2016年登壇者の皆様
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浅岡肇 (あさおか はじめ)
独立時計師
1965年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、浅岡肇デザイン事務所を設立。プロダクトデザイナーとしての傍ら、現在ほどコンピューターグラフィックスの技術が浸透していなかった時代に、いち早く3DCGなど先端の技術を身につけ、広告や雑誌の世界でも活躍。腕時計のデザインをした仕事をきっかけに、独学で腕時計を作りを始め、2009年に日本で初めて高難度のトゥールビヨン機構を搭載した高級機械式腕時計を発表。その強烈な独自性を放つ時計は世界中から注目される。現在も時計製作の全工程をゼロから手掛ける独立時計師として活躍中。世界で数十人の独立時計師から構成された国際的な組織、独立時計師アカデミー(AHCI)の正会員でもある。
ENVIE (アンビー)
シンガーソングライター, 作詞・作曲家
フランス語詞で作った最初のデモがきっかけとなり、2010年よりMio名義で他アーティストとのフィーチャリングや作品参加を重ね、シンガーとしてのキャリアをスタート。2011年よりENVIE名義で作詞・作曲・コーラスアレンジメントなど、アーティストへの楽曲提供や自身のライブを中心に活動。日・英・仏の歌詞を織り交ぜた独自のスタイルは、国内外でも好評を得ている。2013年渡仏。パリにて音楽活動を行い、帰国後は音楽を通しての日仏文化交流にも力を入れている。フォーキーでサウダージな詞曲の世界観、繊細ながらも情熱的なヒーリングボイスを持つ。2015年 東京シャンソンコンクール プルミエプリ、第31回アマチュアシャンソンコンクール 歌唱賞受賞。自身の大好きなゴダールの映画「気狂いピエロ」の台詞「Dans envie, il y a vie」から、「希望」の意を持つENVIEをとり、音楽や詞へのENVIEや、生きるための根源であるENVIEを名前に込めている。
池上高志 (いけがみ たかし)
複雑系研究者 /東京大学大学院総合文化研究科教授
1961年長野県生まれ。84年東京大学理学部物理学科卒業、89年同大学院理学系研究科博士課程修了。同年米国ロスアラモス国立研究所に留学。90年神戸大学大学院自然科学研究科助手。
94年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻助教授に。同年オランダ・ユトレヒト大学理論生物学招聘研究員などを経て、2008年東京大学大学院総合文化研究科教授。
2010年より現職。理学博士。複雑系と人工生命をテーマに研究を続けるかたわら、アートとサイエンスの領域をつなぐ活動も精力的に行う。音楽家・渋谷慶一郎氏とのプロジェクト「第三項音楽」や、写真家・新津保建秀氏とのプロジェクト「MTM」をはじめ、活動は多岐にわたる。著書に『生命のサンドウィッチ理論』、『動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ』、『複雑系の進化的シナリオ』(共著)など。
石黒 浩 (いしぐろ ひろし)
知能ロボット学者
プロフィール
1963年滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授(特別教授)。ATR 石黒浩特別研究所客員所長。工学博士。高校の頃より絵画の制作に没頭。山梨大学 でロボットやコンピュータビジョン研究の面白さに出会う。大阪大学博士課程に入学。恩師・辻三郎教授の「基本問題を考えろ」という教えは、今も守り続けている。社会で活動できる知的システムを持ったロボットの実現を目指し、ヒューマノイドやアンドロイド、自身のコピーロボットであるジェミノイドなど、多数のロボットを開発。2010年アンドロイド演劇『さようなら』(劇作家・平田オリザ氏原作、演出)を世界初上演。科学、芸術、哲学の枠を越え、「人間とは何か」を世界の最先端で追究し続けている。2009年「世界が尊敬する日本人100人」(ニューズウィーク日本版)に選出。2015年日本テレビ系列「マツコとマツコ」において、氏が開発したマツコ・デラックスがモデルのアンドロイド、「マツコロイド」と共にテレビ出演。『生きるって何やろか?』(毎日新聞社)など、著書多数。平成27年度文部科学大臣表彰(科学技術分野)受賞。
小川浩平 (おがわ こうへい)
大阪大学基礎工学研究科 特任助教
2010年 公立はこだて未来大学システム情報科学研究科博士(後期)課程修了。博士(システム情報科学)。国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 研究員を経て、2012年6月より大阪大学基礎工学研究科 特任助教。専門は知能ロボティクス。人間社会において、人と自然に共存することができるロボットやエージェントシステムの開発に取り組む。現在は、特に人酷似型のアンドロイドロボットを用いた自律システムに関心を持ち、研究を行っている。著書に『「憑依」するエージェント - ITACOプロジェクトの展開 - , 人とロボットの<間>をデザインする』(東京電機大学出版局)がある。
金重晃介 (かなしげ こうすけ)
陶芸家
1943年、岡山県備前市に人間国宝の金重陶陽の三男として生まれる。1970年 東京藝術大学大学院彫刻科を修了。1975年から陶芸夜作品を発表し始め、1982年に備前市香登に築窯。田部美術館「茶の湯の造形展」優秀賞、日本陶磁協会賞、山陽新聞賞など数々の賞を受賞。ボストン美術館、東京国立近代美術館、サントリー美術館、岡山県立美術館などに作品が収蔵される。造形、土、焼成にこだわったオブジェや茶陶などを制作し、その抽象的な造形の作品は国内だけでなく、海外からも注目される。1992年、1999年 パリで開催された日本の陶芸「今」100選展に招待出品。2005年にはボストン美術館開催の現代日本の陶芸展出品し、ニューヨークにて個展を開催する。2006年 岡山県文化奨励賞を受賞、2012年 岡山県指定重要無形文化財保持者に認定される。
神崎亮平 (かんざき りょうへい)
生物学者 東京大学先端研教授
1957年、高野山の麓、高野口町生まれ智辯学園出身。1979年、筑波大学生物学類の卒論にて、昆虫の研究をスタート。以来、昆虫の脳をモデルに脳を理解し、創り、活用する研究のフロントランナーとして注目される。筑波大学大学院生物科学研究科、アリゾナ大学博士研究員、筑波大学生物科学系での「脳の生物学的分析」による脳理解のフェーズから、東京大学情報理工学系研究科では、生物学と工学の融合から昆虫の脳力を再現して理解する研究へと移行。次世代スパコン上に脳を創り、脳と機械を融合したサイボーグ昆虫など斬新なアプローチを展開。2006年から東京大学先端科学技術研究センター教授(兼任)。2012年 - 2015年、日本比較生理生化学会会長。2016年より東京大学先端科学技術研究センター所長。 小中高生や教員に昆虫の目線を通してみたヒトの世界を紹介し、教育活動にも従事。
KOHKI (コーキ)
音楽プロデューサー、ギタリスト、作曲家
1985年長野県生まれ。ギタリスト、マルチプレイヤー。プロデューサー、アレンジャーとして音楽制作プロダクション「STUDIO-KOHKI」を主宰。幼少から音楽制作を始め、作曲・演奏・録音を一人でこなすワンマン・ユニットとして2000年、15歳でデビュー。以降 、Sony Musicよりリリースを重ね、音楽専門誌からも高い評価を受ける。資生堂、キヤノン、EDWIN、TOYOTAなどを企業向けのCM音楽制作も手掛け、フリーとなった2004年、故郷長野の土蔵を改築し「STUDIO-KOHKI」を拠点に活動を開始。2011年、ドイツ・ベルリンへ渡りライヴ活動を精力的に行う。近年は、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』主題歌「雨のち晴レルヤ」の共作者としても知られる佐藤和哉(篠笛)をはじめ、数多くのアーティストのプロデュースを手掛ける。また自身のユニット「バロッQぱんくす」としても活動中。
土井永史(どい ながふみ)
茨城県立こころの医療センター病院長
1955年2月群馬県桐生市に生まれる。熊本市立白川小学校・出水中学校、ラサール学園高等学校を経て、1981年東京大学医学部医学科卒業。1991年医学博士。東京都立松沢病院・府中病院・大久保病院・荏原病院、東京大学医学部付属病院を経て、2007年4月より現職。専門は精神医学。趣味:①料理:洋風オリジナルお好み焼きは娘たちから高い評価を受けてきた。②数学を教えること:娘たちから煙たがられてきた。③葉巻とパイプ:娘たちから今なお嫌われている。
これまでに蓄積された膨大な疫学データに確率論と集団遺伝学的手法を適用し、2012年6月に統合失調症の原因遺伝子座はミトコンドリアゲノム上に存在するという仮説を提唱した。夢は、この仮説を証明し、統合失調症の分子遺伝学の歴史を戯曲風にまとめること。原稿は完成に近づきつつあるが、仮説の証明は困難を極めそう。「少年老い易く学成り難し」を実感する今日この頃である。
花柳 幸舞音 (はなやなぎ さちまいね)
日本舞踊家
神奈川県出身。花柳寿南海(人間国宝、文化功労者)に師事。2003年日本大学芸術学部卒業。日本舞踊協会主催公演や国立劇場主催公演、文化庁学校巡回公演に出演するほか、NHK「にっぽんの芸能」、テレビ東京「日本の伝統芸能」などのメディアに多数出演。また、テレビ・演劇・ミュージカルなどの振り付け、舞踊所作指導なども行うなど活躍の場は多岐に渡る。
2002年サッカーFIFAワールドカップ決勝戦前夜祭に出演。「TEDxSeeds」ではユーコ・スミダ・ジャクソン氏と即興によるパフォーマンスを披露。2015年国立劇場主催公演「明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会」出演。明治神宮春の大祭にて奉納舞踊「長唄 藤娘」を舞う。
川野希典賞(日本大学芸術学部卒業制作)、2014年各流派合同新春舞踊大会最優秀賞、平成27年度舞踊批評家協会新人賞を受賞
松田 次泰 (まつだ つぐやす)
刀匠
1948年北海道生まれ。北海道教育大学特設美術科で美術を専攻。大学3年時に休学し東京の予備校に入り絵の道を志す。美術館通いを続けるなか、生涯追求し続けられる芸術を模索。初めて目にした名刀の素晴らしさに感動し、大学卒業後に刀鍛冶の道に入る。人間国宝・宮入昭平氏のもとを訪れ、その一番弟子、高橋次平氏に弟子入り。日本刀は「機能性」「芸術性」「精神性」が美しいトライアングルを描く芸術品の頂点。刀の歴史は2000年と古く、現在国宝に指定を受けている日本刀は110点で、その8割が鎌倉時代の物。この時代の物を再現するのが現代刀匠の目標であるが誰もできなかった。その再現、そして越え出るものをつくることが、一番のベンチャーであると感じている。1999年にロンドンで個展を開催。2006年には高松宮記念賞を受賞、2009年、無鑑査(日本美術刀剣保存協会主催のコンクールで、特賞を9回以上受賞し認定される現代刀匠の最高位)に、2014年に第69代横綱・白鵬関の太刀を作刀、2015年3月千葉県無形文化財保持者に認定される。
吉藤オリィ (よしふじ おりぃ)
ロボットコミュニケーター
奈良県葛城市出身。小学5年~中学3年まで不登校。高校時代の3年間ものづくりの巨匠・久保田憲司氏に師事。電動車椅子の新機構の発明により、国内最大の科学コンテストJSECにて文部科学大臣賞、ならびに世界最大の科学コンテストISEFにてGrand Award 3rdを受賞。その後寄せられた多くの相談と自身の療養経験から、孤独の解消を志す。高専にて人工知能を研究した後、早稲田大学にて2009年から孤独解消を目的とした分身ロボットの研究開発を独自のアプローチで行い、自分の研究室を立ち上げる。2012年株式会社オリィ研究所を設立、代表取締役所長。分身型ロボットOriHimeの開発に取り組み、2014年日本武道館で開催された「みんなの夢AWARD4」にて1万人の前でプレゼンし優勝。ロボットを通して、親しい人との時間を作り、孤独でなくなる未来を目指す。青年版国民栄誉賞「人間力大賞」、スタンフォード大学E-bootCamp日本代表、ほか AERA「日本を突破する100人」、フォーブス「30Under30 2016 ASIA」などに選ばれる。