梅干しはなぜ赤い?アントシアニンとクエン酸
皆さんは夏バテ防止や、疲れをとるために何か意識して摂取しているものはありますか?私は最近、梅干しにはまっています。疲れをとることで有名なクエン酸は、梅干しやレモンなど酸っぱいものに良く含まれています。夏の暑い日には、大根おろしと大葉をのせた冷やしうどんなどを食べると、なんだかサッパリしますよね!
実はそのクエン酸は、とれたての緑色の梅を赤い梅干しに変えるのにも役立っているそうなんです。今回は、梅干しがどうやって赤色に変化しているのかを、食材に含まれる成分が持つからだに与える影響を説明を交えながら紹介したいと思います。
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梅干しを食べていてあまり疑問に思う方はいないかもしれませんが、梅干しってどうして赤いんでしょう?赤シソを使用しているから、と言ってしまえばその通りなのですが、シソって、『紫蘇』と書くことからもわかる様に、赤色というより紫色をしていることがわかります。対して梅干しはシソから着色された色にも関わらず、はっきりとした赤い色をしていますよね。
その理論を説明するのが、理科で習った酸とアルカリの化学反応なのです。
シソの紫を作っているのは、シソニンと呼ばれる色素で、これはブルーベリーなどに見られる色素と同じアントシアニン系です。
(アントシアニンの効能についてはこちらから↓)
このアントシアニンは中性で酸性と反応すると赤色に、アルカリ性と反応すると青色に変化するんです。
つまり、梅に含まれるクエン酸が化学反応を起こし、紫色だったシソニンが変化して赤色に変わるのです。これが、緑色の梅を赤色に変える秘密なのですね。
また、シソには梅の色を変化させるだけでなく、強い防腐力と殺菌作用があります。
そのため長期間保存用として作る梅干しに使用されていたのだと考えられているのです。
この殺菌作用や防腐力はシソの独特の香りに由来していて、その成分はぺリルアルデヒドと呼ばれています。
このぺリルアルデヒドからは食欲増進の効果も得られるので、この点からも梅干しは夏バテの方にお勧めしたい食材なのです。
まだまだ暑い夏、梅干しを食べて一緒に乗り切りましょうね!