「ヒト VS ロボ」 客単価を上げてくれるのは?
子供のころ、ドラえもんを見ながら未来を想像したことはありませんか?
ヒトが指令を出してロボットが作業する
のが私が想像していた未来ですが、思っていたのと逆な現実に、「なんだか思っていたのと違う…違うけれども、確かにこうなるよね」と納得せざるを得ないこの頃です。
例えば、飲食店で、座席のタッチパネルで注文できるところがありますが、お客様が注文をするとシステムがそれを受けて指令を出し、運んでくるのはヒトだったりしますよね。
ホテルでも、チェックインやチェックアウトはマシンでも、掃除はヒト。
工場は別でしょうけれども、サービス業においては明らかに
ヒトのほうが作業を行っています。
数年前、オックスフォード大学の准教授が発表した「10年以内になくなる職業」にネイリストが入っていることが話題になりましたが、「作業はヒト」の現状を考えると、そう簡単にはなくならないだろうな、と思います。
医者も、事例や研究データに基づいた「医療診断」ではコンピュータに勝てなくなるかもしれませんが、外科手術などは当面はヒトがやるしかない、というのと同じことですね。
ということで、前おきが長くなりましたが、今回言いたいのはこのことではありません(違うんかい!)
先日、電話予約をして行ったお店で、お願いしていたつもりのオプションメニューが予約からもれていそうだな、と途中で気づきました。
気づいた時点で想定より施術に時間がかかっていたため、「もういいや」と指摘もせずにそのまま帰りましたが、お店側は気づかずしてその分の売上を逃してしまったことになります。
私は普段電話ではなくネットで予約をすることが多いのですが、ネット予約にしていれば、お店側が売上を逃すことはなかったでしょう。
つまり、
ヒトは間違ったり、忘れることがある
ということです。(お客様側がネット予約の仕方を間違うこともありますが(^-^;)
逆の例として、先日行った温浴施設のレストランをご紹介します。
そのレストランでは、注文にタッチパネルの券売機を使っているのですが、季節メニューの「すだちうどん」の注文ボタンを押したところ、まず「小盛」「普通」「大盛」の選択肢が現れました。
「普通」を押すと、追加するものはありますか?と かき揚げや海老天などのさらなる選択肢が現れました。
「ご一緒にポテトはいかがですか?」をポテトだけに絞らずにおすすめする
感じです。思わず、「かぼちゃの天ぷら(80円)」を追加してしまいました(笑)
ヒト(スタッフ)であれば、こうした追加のおすすめを確実に言える人と言えない人に分かれます。おすすめトークを徹底するための教育が必要になりますし、言えるようになってもうっかり伝え忘れたりすることもあるでしょう。
しかし、
「券売機さん」はすべてのお客様におすすめをしてくれます。
しかも、最終的に選ぶのはお客様なので、押し売り感ゼロ。
確実に、この施設の客単価アップに貢献していると思います。
もちろん、ネイルサロンに券売機を入れることは現実的ではありませんが、将来的に、使い勝手のいい予約システムが出てくることは十分期待できると思います。
とはいえ、
それを使いこなすには、経験と知恵が必要です。
前述のレストランでも、まずは客単価を上げる発想そのものや、うどんに追加できるものはなんだろう?というメニューの組み立てがなければどんなにいいシステムがあっても結果につなげることはできなかったでしょう。
来るべき時代に向けて、ヒトの細やかな手作業や気配り、クリエイティブを追及しつつも、アタマの中をデジタルに整理し、システムに任せられることは任せる準備をしておくことが大切だと思います。
そして、注文した結果として、かぼちゃの天ぷらが
素晴らしく美味しかった
ことも忘れてはなりません。美味しくなかったら、お客様の満足にもリピートにもつながりません。ヒトが追及すべきことはやはり商品・サービスのクオリティなのです。
顧客満足と客単価アップを両立させるオーダーのしくみ化が、これからの重要テーマと言えるでしょう。(望月啓子)