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ファミリービジネス

2017.10.04 05:58

波止場に降り立って数十年。思い出に耽る60代の祖父に

20代の孫息子が泥棒の話を持ちかける

●今回の船が出てくる映画

Family Business

1989年公開 アメリカ映画


●あらすじ

過越祭の夜のこと、妻の実家を訪ねたヴィトーは、息子アダムと久しぶりに再会する。一家が祝いの食卓を囲んでいた時、アダムあてに電話がかかってくる。相手はヴィトーの父ジェシーで、留置場に入っていて、保釈金を用意してほしいという。60代で酒場で警官を殴って留置場に入れられるようなジェシーは泥棒で生計を立てていて、今も過去の犯罪歴を誇りにしている男であった。孫のアダムにとっては、有名ブランドの服を着こなす「おじいちゃん」は憧れ。アダムはおじいちゃんに、仕事の話を持ちかける。製薬会社の新製品の資料を盗む仕事だ。ヴィトは幼い頃から泥棒の片棒をさせられたことを嫌がり、子供はまともに育てたいと精肉会社を経営していたが、巻き込まれ、3世代で盗む計画を立てる。しかし、現場でアダムがミスして捕まってしまう。


●ここに注目!

おじいちゃんにショーン・コネリー、お父さんにダスティン・ホフマン 、孫にマシュー・ブロデリックの3世代のビックネームが揃った映画、という話だが、今となっちゃ、マシューって誰?だろう。「フェリスはある朝突然に」(1986年公開)のフェリスを演じた青年で、「セックス・アンド・ザ・シティ」のサラ・ジェシカ・パーカーの実生活の夫だった、という方がわかるかもしれない。

過越祭は、エジプトで奴隷にされていたイスラエル人(後のユダヤ人)が、モーセに率いられて脱出したことを記念する祭。イスラエル人を迫害していたエジプト人の家には死の天使が訪れて、その家の長男がことごとく死んだが、子羊の血を門柱と鴨居に塗っていたイスラエル人の家の前は死の天使が「過ぎ越し」たので死者がなかった、という話が元になっている。時期は「春分の日の後の最初の満月の日」に行われ、この祭のあいだ、男子の多くは敬虔の証として「キッパー」という縁なしの帽子をかぶる。日本の正月の起源とも言われている。

ちなみに復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われる。


●映画のここに船

祖父が孫に保釈金を払ってもらい、夜通し飲んだ翌朝、波止場が見えるカフェで朝食。この波止場はおじいちゃんがイタリア人のおばあちゃんとアメリカに船で移民してきた時に降り立った場所だ。すっかり様変わりした海には、大型タンカーがゆっくりと航く様子が見られる。